避けたほうがいい甘味料とは?人工甘味料の種類や健康への悪影響を解説!

※本記事ではアフィリエイト広告を利用していますが、できる限り「自分で使用しておすすめできるもの」を紹介しています。

無添加まめ知識

人工甘味料ってやっぱりコワいもの?避けたほうがいい?

人工甘味料が使われている食品が多く市販されているものの、それって安全?ゼロカロリーって本当?種類もたくさんあって、どれが何やら良く分からない…というあなたのお悩みにお答えします。

この記事はこんな方におすすめ!

  • 人工甘味料と合成甘味料の違いが分からない
  • 危険って言われてるけどどんなデメリットがあるの?
  • 避けるべき甘味料を知りたい
  • どんな物に多く使われているか知りたい
  • おすすめの甘味料ってどれ?

甘味料の種類

人工甘味料とは?

人工甘味料とは化学合成によって作られた甘味料のことで、2つに分けられます。

■自然界に存在している糖質に水素添加をして作られた「糖アルコール」
■非糖質系甘味料のうち天然由来ではなく人工的に合成された「合成甘味料」

糖アルコール

  • キシリトール
  • ソルビトール
  • マルチトール
  • エリスリトール 
  • 還元水あめ など

合成甘味料

  • アスパルテーム
  • アセスルファムK
  • スクラロース
  • サッカリン
  • ネオテーム
  • アドバンテーム

「糖アルコール」は、天然由来のものから酵素処理などにより甘味を人工的に抽出したもの。食品由来のため安全性が高いとされています。


ですが、消化管で吸収されにくい性質があるため、一度に大量摂取するとお腹が緩くなることがあります。(パッケージに注意書きがあるの、よく見かけますよね)

もう1つの「合成甘味料」は、食品由来の成分ではないため添加物として分類され、現在日本で使用できるのは上記の6種類。(合成甘味料は人工甘味料の一種ってことです)


食品添加物は通常の食事から摂る量では健康影響の出ないように管理され、食品安全委員会が許容一日摂取量(ADI)を設定をしています。


2019年の調査では、合成甘味料を含む全8種類の甘味料の推定摂取量はどの年代でもADIを大きく下回っており、一般的な食事をしていれば摂りすぎの心配はなさそうです。


とはいえ、ネット上やSNSでは「危険!ヤバい!」などの情報が多く気になる方も多いのでは?今回は人工甘味料の中でも特に問題視されている「合成甘味料」に焦点を当てて解説します。

参考:令和元年度 マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について|厚生労働省

問題視される合成甘味料とはどんなもの?

アスパルテーム

砂糖に近い甘さで甘みが強く、わずかな量の使用で十分な甘さを感じられるのが特長。


世界125カ国以上でその安全性と有用性が認められ、多くの食品・ダイエット食品・医薬品などで使用されていますが、2023年7月、国際がん研究機関IARCが「アスパルテームに発がん性がある可能性がある」と発表し、世界中で大きな話題となりました。


ですが、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)は、アスパルテーム摂取後に有害影響を及ぼす根拠は、実験動物やヒトのデータにはないとして、ADI(1日摂取許容量)を越えなければ、健康上の懸念をもたらすものではない、と結論づけています。


さらに、アスパルテームが体内で分解された際に発生する人体に有害な物質「メタノール」が危険だ!という意見もありますが、野菜や果物などの一般的な食品を摂取した後に吸収される代謝物にも含まれていますので、あまり心配はありません。

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンからできており、フェニルアラニンを体の中で代謝できない「フェニルケトン尿症」の人は摂取を避ける必要があるため、食品衛生法で「L-フェニルアラニン化合物を含む」などの表示が義務付けられています。

参考:食品表示基準について(新旧対応表)|消費者庁
アステルパームについて(「食品安全情報」から抜粋・編集)| 国立医薬品食品衛生研究所
アスパルテームに関するQ&A|食品安全委員会

アセスルファムK

アセスルファムKは、砂糖の200倍もの甘さがあり、水に溶けやすく、加熱や酸に対する安定性も高いことから、アスパルテームとならび広く使用されている人工甘味料です。


アスパルテームなど他のものと組み合わせることで、砂糖の甘みに近づくため併用されることが多いです。キレのある甘みで後味が少ないのが特長。(高濃度だと後味を感じるそうです)


摂取してもほとんど全量が体内で消化・吸収されることなく排泄される、とされています。


参考:近年における人工甘味料の動向|農畜産業振興機構

スクラロース

スクラロースは砂糖の600倍の甘さがあり、砂糖に近いまろやかな甘さが特長です。

砂糖に化学的な合成処理を行って製造され、アセスルファムKと同様に、体内で消化・吸収されずに排泄される、とされています。


スクラロースに微量に含まれる不純物「スクラロース-6-アセテート」によって、DNA損傷が生じる可能性があるとの研究結果がありますが、参考になる情報が少ない、他の研究結果では陰性になることもある、など評価が分かれています。


使用量が多いスクラロースですが、国内で流通しているものの大半がスクラロースを開発した英国企業系の輸入品です。

参考:食品添加物スクラロース中に残留する可能性のあるスクラロース-6-酢酸につい
|食品安全委員会

サッカリン

サッカリンの甘みは砂糖の約500倍ともいわれ、漬物や醤油などに使用されることが多く、人工甘味料の中では歴史が長く、日本では古くから使用されていました。

アメリカで動物実験の結果から発がん性の疑いがもたれ、日本でも一度使用禁止になりましたが、その後ヒトに対する発がん性の疑いが否定され、使用が再開。


この一連の騒動によりネガティブなイメージが残りあまり使われなくなったサッカリンですが、醤油や歯磨き粉など特定の商品には根強く利用されています。


参考:サッカリンカルシウム及びサッカリンナトリウム|厚生労働省

ネオテーム

ネオテームは、アスパルテームから作られる甘味料で、ネオ(新しい)テーム(アスパルテーム)、いわばアスパルテームの改良品。甘味が非常に強く、砂糖の7,000~13,000倍、アスパルテームの約30~60倍といわれています。


アセスルファムKやサッカリンと比べると、苦味が少なく甘みが長く残るのが特長で、食品の風味を引き立たせる「風味増強効果」や、苦味など不快な味を低減させる「マスキング効果」があります。


ネオテームは、アスパルテームの化学式に3-ジメチルブチルを加え作られたものです。この3-ジメチルブチルは有害な化学物質のため安全性を問題視する声があります。


ですが、72時間以内にヒトの場合は98%以上完全に体外へ排出される上に、ネオテームの主要代謝物の安全性は遺伝毒性試験で証明されており、その他の微量分解産物も低い急性毒性はあるものの、悪影響が無いことが示されています。

摂取したネオテームやアドバンテーム(後述)が全て L-フェニルアラニンに変換されるとしても、その摂取量は無視できる量であることから、ネオテームはアスパルテームとは異なり「 L-フェニルアラニン化合物」等の表示は義務付けられていません。

参考:ネオテームの食品添加物としての指定の可否について|厚生労働省

アドバンテーム

アドバンテームは、味の素が独自開発したアミノ酸系高甘味度甘味料です。アスパルテームから作られる人口甘味料で、砂糖の約14000~40000倍もの甘さがあります。苦みや雑味がなくクリアな甘みで、後味が長く続きます。


オレンジやグレープなどの果汁感や、ミント感を強める効果があります。また、たん白強化食品などの不快な味のマスキング効果もあり。


2014年に食品添加物として認可を受けた1番新しい合成甘味料です。


参考:味の素(株)の新甘味料「アドバンテーム」欧州・米国に続き、日本でも食品添加物認可を取得|味の素株式会社
パルスイート®ってどういう商品?|お客様相談センター|味の素株式会社

人工甘味料のメリット

2023年5月、WHOが公表した「人工甘味料の使用に関するガイドライン」には、以下のようなメリットが記されています。

カロリーを抑えられる

砂糖の代わりに人工甘味料を使用する場合にのみ減量効果が認められ、人工甘味料の使用による減量効果は摂取カロリーが減ったことによる影響が考えられた。

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

人工甘味料の中でも特に「合成甘味料」は砂糖の200倍以上もの甘みがあります。そのため使用量が少なくなり、カロリーがほとんどない低カロリーの甘味料として使用されているのです。


単純にカロリーだけで考えると、砂糖に比べはるかに低カロリーなのは事実。ダイエッターや糖尿病の方にとっては強い味方と言えます。

食後の血糖値の上昇を抑える

健常人にブドウ糖、果糖、または3種類の人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)のいずれかを投与して血糖値、インスリン値の反応を比較検討した報告では、ブドウ糖を投与したときは、血糖値、インスリン値はともに上昇したが、人工甘味料を投与したときは、血糖値、インスリン値ともに上昇は認められなかった2)

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

人工甘味料にはブドウ糖が含まれていないため、摂取しても血糖値は上昇しません。そのため、人工甘味料は肥満や糖尿病の予防に有用とされています。

虫歯になりにくい

人工甘味料の小児への影響について、減量やう歯の予防などが報告されている。

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

まず虫歯ができるメカニズムとは?虫歯菌が食べ物や飲み物などの糖分をエサにして酸を発生させ、その酸が歯を溶かしてしまうことで発生します。(1番のエサが砂糖の主成分であるショ糖といわれています。)

人工甘味料は砂糖と違い、虫歯菌がエサにできず、酸を作り出せないため虫歯の原因になりにくいのです。アスパルテームやアセスルファムK、スクラロースなどの人工甘味料が虫歯になりにくいといわれています。


その中でもおなじみの「キシリトール」は、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)が効果を認めていますし、2020年にはアメリカ歯科医師会で、小児のキシリトールガムの虫歯予防効果が支持されています。

人工甘味料のデメリット

様々なメリットも認められている人工甘味料ですが、最近の研究では「人工甘味料の長期的な使用は、本来の目的とは逆の効果を生む可能性」があると指摘されています。


人工甘味料が健康に与える悪影響とはどんなものでしょうか…?順に解説します。

カロリーを抑えられるのに、体重が増加する?

成人を対象とした数カ月の比較的短期間の研究では、人工甘味料の使用が多い方が減量効果を認めたが、年単位にわたる長期間の研究では、むしろ人工甘味料の使用が多い方が体重増加を認めた。

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

WHOは、体重のコントロールのために非糖質甘味料を長期使用することは有用でない、としています。


人間は、舌で甘みを感じると脳が血糖値の上昇を予測してインスリンを出す準備をします。ですが人工甘味料の場合、甘みの信号が脳に送られるものの血糖値が上がらないため脳が混乱し、食事をして血糖値を上げるように指令を出すのです。


その結果食べすぎを引き起こしてしまう可能性がある、という訳ですね。


しかし、2024年には低カロリー甘味料の使用で、体重管理を長期にわたり改善でき、糖尿病のリスクも高めないという全く逆の結果が欧州肥満学会議(ECO)から発表され、今後の調査に注目が集まっています。

参考:「低カロリー甘味料」が過体重や肥満の人の体重管理を改善|糖尿病ネットワーク

食後の血糖値の上昇を抑えられるのに、糖尿病のリスク…?

フランスでの10万人を対象に行われた研究では、人工甘味料を多く使うグループでは、全く使用しないグループと比較して、糖尿病となるリスクが69%も高くなっていました。

その後の日本人男性の追跡調査でも、人工甘味料を含むソフトドリンクを週に1カップ(237ml)以上飲む人は、全く飲まない人と比較して1.7倍糖尿病になりやすいことが報告されています。

人工甘味料は、適量を摂取した場合、糖尿病コントロールに一定の有益性をもたらす可能性がある一方で、逆に潜在的なリスクとなる可能性もあり、健康への影響についてさらなる調査が必要であろう。

人工甘味料と健康|名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 第15号 2023年
きのこもち
きのこもち

え?糖尿病には効果的なの?どうなの?ってなりますよね…もっと調査が進んで欲しいです。

参考:人工甘味料と健康|名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 第15号 2023年
人工甘味料と糖代謝|農畜産業振興機構

腸内環境に影響を及ぼす

人工甘味料の摂取が腸内フローラの組成を変化させ、代謝機能に影響を与えるとの論文が2014年Nature誌に掲載されました。


その後も様々な研究が行われ、人工甘味料の長期投与が、腸内フローラのバランス異常をきたし「炎症性腸疾患」発症の危険因子の1つである可能性が示唆される、という研究論文が出されたり、人工甘味料は人間の腸にすむ細菌の働きを妨げるのみならず、食後に血糖値を下げにくくする可能性があるという研究結果も出ています。

きのこもち
きのこもち

人工甘味料を長期的に常用するのはやめておくべきですね。

※炎症性腸疾患:ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気のこと。

参考:人工甘味料アセスルファムカリウムが腸管免疫に及ぼす影響について|J-stage
人工甘味料と健康|名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報 第15号 2023年

心血管疾患の危険が高まる

人工甘味料による年単位にわたる長期的な影響として、糖尿病、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、また死亡の危険が高まることが報告されている。しかし、人工甘味料は糖尿病や心血管疾患の危険因子となる血糖値や血清脂質などへの直接の影響は認められていない。

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

人工甘味料の摂取量の増加により心臓血管病リスクが上昇し、とくにアスパルテームは脳血管疾患、アセスルファムKとスクラロースは冠動脈性心疾患と関連がある、との研究結果が出ています。

糖尿病など、心臓合併症のリスクを高める基礎疾患のある人々は、血流内に高濃度のエリスリトールがあると、心血管疾患の発症リスクが約2倍高くなる、との研究もあります。

参考:人工甘味料の種類別、心血管疾患リスクとの関連は/BMJ|医師向け医療ニュースCare Net

不安症を引き起こす

過敏な気分になったり抑うつ状態になるなど、精神神経作用に影響を及ぼすことについても様々なエビデンスが報告されています。


米食品医薬品局が推奨する1日最大摂取量の15%に相当するアスパルテームを含む水をラットに18週間与え続けたところ、不安な行動を多く取ったり、不安などに関わる脳の偏桃体に大きな変化が見られました。


しかもアスパルテームを与えたラットの孫の代にまで、この影響が引き継がれたとのこと。


アスパルテームが分解されて生成されるアスパラギン酸やフェニルアラニンが作用し、不安神経症を誘導する可能性があるようです。

きのこもち
きのこもち

人工甘味料を毎日の習慣として取り続けるのは避けたほうがいいですね!

参考:人工甘味料アスパルテームは不安神経症を誘導する(12月2日号 米国アカデミー紀要 掲載論文)|Lab BRAINS

妊婦が摂ると早産のリスクが高まる…?

妊婦においては、早産や出生児のアレルギー疾患との関連について報告されている。しかし、報告数は少なく、小児や妊婦・授乳婦への健康影響はまだ十分明らかではない。

人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える|農畜産業振興機構

妊娠中は厳しく体重管理を指導されるため、カロリーを気にして「人工甘味料」が使用されているダイエット食品などを選ぶ妊婦さんは多いかもしれませんが、要注意。


人工甘味料入りの飲料を毎日飲んでいた妊婦から生まれた子供は、全く飲んでいなかった妊婦から生まれた子供に比べて1歳を迎えた時点で過体重になるリスクが2倍に高まっていた、という研究結果があります。


ですが、まだまだヒトを対象にした研究結果が少なく、はっきりとした科学的根拠がないのが現状です。

発がん性の可能性がある

国際がん研究機関 (IARC)は、ヒトにおける発がん性の「限定的なエビデンス」を挙げて、アスパルテームをヒトに対して発がん性がある可能性がある「IARCグループ2B」と分類し、1日摂取許容量を40mg/kg体重と再確認しました。

人工甘味料「アスパルテーム」に発がん性の可能性|公益社団法人 日本WHO協会

IARCが分類する4つのグループは以下の通りで「たばこやアルコール飲料」はグループ1に分類されています。ちなみにアスパルテームと同じグループ2Bには「わらび、漬物、ガソリン」などが入っています。

グループ1ヒトに対して発がん性がある
グループ2Aおそらくヒトに対して発がん性がある
グループ2Bヒトに対して発がん性がある可能性がある
グループ3ヒトに対する発がん性について分類できない
.IARCによる発がん性分類

あくまでもヒトに対する発がんの原因となり得るか「根拠の強さ」を示すものであって、各要因の発がん性の強さを示すものではありません。

きのこもち
きのこもち

グループ2Aには「非常に熱い飲み物(65℃以上)、夜間勤務」が分類されています。うん、どういう指標か分かってもらえましたかね?笑

他にも2022年にフランスで発表された研究結果では、人工甘味料の摂取量が多い人は、人工甘味料を摂取していない人と比べると、がんと診断されるリスクが13%高いことが分かりました。


種類別だと、アスパルテームの摂取量が多い人は15%、アセスルファムKの摂取量が多い人は13%のリスク上昇。


乳がんリスクはアスパルテームの摂取量が多い人は22%、大腸がんなどの肥満関連のがんリスクは、全ての人工甘味料の摂取量が多い人で13%、アスパルテームの摂取量が多い人で15%上昇しているとされています。

参考:アスパルテームに関するQ&A|食品安全委員会
人工甘味料とがんリスク:NutriNet-Santé 人口ベースコホート研究の結果

人工甘味料が多く含まれる食品とは?

農畜産業振興機構が行った、甘味料を使用する食品製造事業者111社から得られたアンケート調査では、人工甘味料は飲料・菓子に使われることがほとんどです。

食品メーカーにおける砂糖類および人工甘味料の利用形態|農畜産業振興機構

1番多いのは「キャンディー・グミ・チューインガム」となっていますが、全体を見ると特に多いのが「飲料」で、炭酸飲料やスポーツドリンクはもちろん、コーヒー・ココア・紅茶、乳飲料や野菜ジュースにまで使用されています。(全ての商品に使われているわけではありません)


その他にもプリン・ゼリーやヨーグルト、漬物…そうです、冷たい加工食品に含まれている可能性は高いです。

きのこもち
きのこもち

ゼロカロリーやシュガーレスを謳う加工食品には、ほぼ人工甘味料が使用されている、といっても間違いではありません。

どんな理由で人工甘味料が使われているの?

先ほどのアンケートでは、人工甘味料を使用する理由は「他の甘味料との併用による甘さ調整」が最も多く、次いで「甘味料そのものの味、風味が良い」、「商品に風味を加える」の順となっています。

食品メーカーにおける砂糖類および人工甘味料の利用形態|農畜産業振興機構

前年度調査では「商品のカロリーを抑える」「製造原価(製造コスト)を抑える」が上位でした。


他にもガムの味を長持ちさせるため、グミやキャンディーなどで果汁感やミント感を強めるため、プロテインの苦みや臭みをマスキングするため、など人工甘味料の様々な特長が使用の理由の1つとなっています。


また、菓子類以外ではパンの焼き色を抑えるため、漬物では素材の辛みや臭みを抑えるためなどに使われていることも。

よく使われる人工甘味料の種類は?

財務省の貿易統計による人工甘味料の需要量をみると、アセスルファムKがダントツです。

加糖調製品をめぐる動向等について|財務省

別の資料でも見てみましょう。前述のアンケートの「種類別人工甘味料の仕入れ量(2017年度)」によると、一番多いのが「スクラロース」、次いで「アセスルファムK」、「アスパルテーム」となっています。

食品メーカーにおける砂糖類および人工甘味料の利用形態|農畜産業振興機構

仕入れ量=使用量ではありませんが、人工甘味料の中で多く使われているのは間違いなく「アセスルファムK」、「スクラロース」、「アスパルテーム」この3種類です。

参考:我が国と世界の砂糖をめぐる動向|農林水産省

摂取しすぎを防ぐポイントは?

前述したように、市販の「0カロリー飲料」には人工甘味料が使われていることが多く、さらに冷たい飲み物は甘さを感じにくいため、かなりの糖分が含まれています。


しかも炭酸飲料は開封すると炭酸がぬけてしまうので、1日で飲み切ってしまうことも多いのでは?


市販のペットボトル飲料を毎日のように飲む、冷蔵庫に常備しておく、といった食生活はちょっと考えもの。ジュースはおやつと考えて、甘い飲み物は頻度を減らすのがベター。


(人工甘味料を含むソフトドリンクを週に1カップ(237ml)以上飲む人は、全く飲まない人と比較して1.7倍糖尿病になりやすいという報告もありますからね!)


その他にも人工甘味料が良く使用される食品の例を種類別にまとめました。

種類良く使用される食品例
アスパルテーム炭酸飲料、ヨーグルト、菓子類、医薬品など
アセスルファムK炭酸飲料、コーヒー、ガム、キャンディ、めんつゆ、佃煮、漬物など
スクラロースダイエット食品、エナジードリンク、菓子、アイス、煮豆、調味料など
サッカリン魚介加工品、醤油、缶詰、歯磨き粉など
ネオテームヨーグルト、ケーキ、キャンディ、ガムなどの菓子類
アドバンテーム卓上甘味料、焼き菓子、清涼飲料水、ガム、乳製品など
きのこもち
きのこもち

なんとまぁ…多種多様ですね~。

すっきりとした甘さを出す:コーヒー、清涼飲料水
甘みが持続する:ガム、キャンディ
タンパク質特有の臭みを消す:プロテイン
素材の辛みや臭みを抑制:漬物


などなど、砂糖にはない人工甘味料の特徴が重宝され、各方面からひっぱりだこって感じです。しかも砂糖の味に近づけるため複数が併用されることが多いので、やっぱり加工食品は要注意です。

なんとなく口さみしい…という理由でのキャンディやガムの摂取も「チリも積もれば山となる」。ついつい食べちゃってた…を減らすのも過剰摂取を防ぐポイントと言えそうです。

避けたほうがいい甘味料とは?

ここまで1字1句もらさず読んで下さったあなたなら、もうお分かりのはず。人工甘味料の中でも特に合成甘味料はやめとこ。もう1回表を貼っときます。

合成甘味料

  • アスパルテーム
  • アセスルファムK
  • スクラロース
  • サッカリン
  • ネオテーム
  • アドバンテーム

この中でも特に危険性が高いのはどれ?!というのはもはや愚問では…?という心の声は置いといて、あえてランキングをつけるなら…

順位物質名影響を及ぼすとされている(可能性がある)
1位アスパルテーム・発がん性
・うつ症状
・心血管疾患
・糖尿病
2位アセスルファムK・腸内環境を悪くする
・発がん性
・心血管疾患
・糖尿病
3位スクラロース・心血管疾患
・糖尿病
あくまでも個人の見解です
きのこもち
きのこもち

どんぐりの背比べ、ですやん。

人工甘味料(合成甘味料)について様々な研究結果が出ていますが、データが少なくヒトに対するエビデンスがない、直接的な因果関係があるとは言い切れない、など、不確定要素も多く安全性については研究者や専門家の間でも意見が分かれています。


理由は「歴史が浅くて分からない部分が多いから」です。長期的な摂取による影響が、現在ではまだ判断がつきかねますので、今後研究が進んで新たな危険性がでてきたらコワい…と心配になりますよね。


実際、過去に人工甘味料として使用されていた「ズルチン」は、後になって中毒事件が起こり、肝臓機能障害や発癌性等の毒性が認められたため使用が禁止になっています。


(1956年に食品添加物に指定された「チクロ」も米国で発がん性が指摘され、1969年に食品添加物の指定から削除されました。しかし、その後の追試では発がん性に否定的な結果が出たため、ADIが設けられ、現在ではEUやタイ・中国など多数の国で使用されています。日本では使用禁止のまま。)


「君子、危うきに近寄らず」ですよ。本当に大丈夫かな~?とモヤモヤするくらいなら「やめとけ」です。


でも別の考え方もできます。人工甘味料って、砂糖の200~30000倍くらいの甘さがあるんでしょ?じゃあ使用量は砂糖の200分の1~30000分の1くらいってこと?そんな微々たる量なら心配しなくても大丈夫じゃない?と思えるならメリットだけ「えぇとこどり」して適度に付き合いましょう。

きのこもち
きのこもち

結局ね、分からないのが1番コワいの!だから調べてこのページを見にきてくれたんでしょ?参考になったなら幸いです。

番外編:合成甘味料以外で避けたい甘味料

異性化糖(果糖ぶどう糖液糖やぶどう糖果糖液糖)

「果糖ぶどう糖液糖」や「ぶどう糖果糖液糖」という成分を原材料表示で見かけたことがある方も多いが、飲料や菓子類など様々な加工食品に使われています。


これらは異性化糖(異性化液糖)と呼ばれるもので、とっても簡単に言うと「ぶどう糖と果糖の混合液」です。JAS規格では3種類に分類されており、果糖の割合が多くなるほど甘みが増します。

ぶどう糖果糖液糖果糖50%未満
果糖ぶどう糖液糖果糖50%以上90%未満
高果糖液糖果糖90%以上
異性化糖が多く使われる理由
  • 温度が低いと甘みが増す
  • 砂糖よりも安価
  • 液体なので、溶かす必要がなく飲料などに使いやすい

では、このぶどう糖果糖液糖をはじめとする「異性化糖」の何に問題があるのか?


それは、異性化糖の原料は「コーンスターチや国産のいもでん粉」で、農林水産省の資料によると、そのほとんどが輸入とうもろこしです。


輸入とうもろこしはほぼ遺伝子組み換えされている、と言っていい状況。知らずしらずの内に遺伝子組み換え作物から作られた食品を口にしていた…。ということが起きています。

遺伝子組み換え原料って何が悪いの?

遺伝子組み換え作物は「食品・肥料」としての安全性を確保できるよう、「生物多様性」への影響がないよう、それぞれ科学的な評価を行い、問題のないもののみが栽培や流通できる仕組みとなっています。


組み込んだ遺伝子が作るタンパク質がアレルギーの原因にならないか、有害物質を作ることがないか、などのチェックも併せて行われています。

ですが、今までに経験のないことはこれからどうなるのか誰にも分かりませんよね。不安な要素のある「安全と言い切れない・疑わしい」食品を口にするのは抵抗がある…と考える方は果糖ぶどう糖液糖やぶどう糖果糖液糖は避けたほうが良いと言えそうです。

おすすめの甘味料

ステビア(天然甘味料)

ステビアは南アフリカ原産のキク科の植物。守田化学工業が品種改良や精製技術を確立、安全性試験などを重ね、砂糖の200~300倍の甘さを持つ「ステビア甘味料」(ステビア抽出物)として製品化しました。


ステビアは危険という情報を聞いたことがあるけど…と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ステビアはこれまで30年にわたり多数の大学や研究機関で評価・確認されていて安全性はお墨付き。


ではなぜ危険などと言われるようになったのか?それは科学雑誌「サイエンス」に「ラットにステビアエキスを投与したところ、妊娠率の低下が認められた」と掲載されたから。

しかし、その後の研究と調査で妊娠への悪影響や、毒性・副作用などの危険性は認められないことが分かっています。(イメージって怖い!)

ただ1つの懸念事項といえばキク科の植物のため、ブタクサやヨモギにアレルギーがある方は注意が必要です。

参考:ステビアとは|守田化学工業株式会社

羅漢果(天然甘味料)

「羅漢果(ラカンカ)」って、良く耳にする「ラカント」と一緒のもの?という疑問がわきますが…。

ラカンカは中国原産のウリ科の果実です。そこから抽出されるエキスと、エリスリトール(人工甘味料(糖アルコール))を原料としたものが「ラカントS」で、サラヤ株式会社の商品名です。


ネットなどで一般的に売られている、煮出しただけの「羅漢果エキス」は砂糖の数10倍の甘さしかなく、果糖を含むためカロリーがあります。(ラカントSは高純度エキスのため砂糖の300倍の甘さ)


しかもラカンカ100%のものはほとんどなく、たいてい他の甘味料や砂糖が混ぜてあります。(高純度のラカンカだけだと目玉飛び出るような値段なんだと思う。。)

参考:羅漢果(ラカンカ)とは|サラヤ株式会社

甘草(天然甘味料)

甘草(カンゾウ)はマメ科の多年性植物から抽出される天然甘味料。カロリーゼロにも関わらず砂糖の300倍もの甘さで、塩味を和らげる効果や旨味出し効果があります。


紀元前から生薬として利用され漢方でもおなじみですが、甘草を含む漢方薬を数種類、また長期間摂取すると「偽アルドステロン症」と言う副作用が現れることも。


じゃあ甘味料として使用される甘草は大丈夫なの?となりますが、令和元年に厚生労働省が行った甘味料調査では、グリチルリチン酸(カンゾウ抽出物)の1日摂取量はADI を大きく下回っているので、通常の食生活であれば問題ありません。

参考:令和元年度 マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について|厚生労働省

オリゴ糖(その他の糖、イソマルトオリゴ糖は除く)

この記事を書くまでオリゴ糖についてあまりよく分かっていませんでしたが…なんとオリゴ糖には数多くの種類が存在します。


オリゴ糖には、消化酵素によって分解されエネルギー源になる「消化性」のオリゴ糖と、消化・吸収されずに大腸まで届く「難消化性」のオリゴ糖があります。オリゴ糖=おなかに良いらしい、というイメージは「難消化性」のオリゴ糖によるもの。


いくつもの種類のある「難消化性」のオリゴ糖ですが、ビフィズス菌などの腸内細菌の善玉菌のエサになる、という点は共通。甘味の強さや、熱や酸に対する強さなど特徴が少しずつ異なります。

種類甘みの強さ
砂糖と比較した場合
特徴
ガラクト
オリゴ糖
20~30%母乳や牛乳に含まれる
タンパク質の消化を助ける
大豆
オリゴ糖
70~80%大豆などのマメ科の植物に含まれる
イソマルト
オリゴ糖
40~50%大部分が消化性のためカロリーが高め
フラクト
オリゴ糖
25~30%虫歯になりにくい
玉ねぎの甘みの正体はこれ
キシロ
オリゴ糖
25~40%熱や酸に強い
キチン
オリゴ糖
20~35%甲殻類の殻に含まれる
※アレルギー注意
ラフィノース20%オリゴ糖の中で1番早くビフィズス菌のエサになる
ラクチュロース60%牛乳に含まれる
カルシウムの吸収を助ける

オリゴ糖は種類によって異なりますが、カロリーはだいたい砂糖の約半分で、GI値も砂糖より低いためおすすめの甘味料と言えます。


しかし、オリゴ糖は砂糖に比べて甘味が弱いため、全量を置き換えると摂取量が増えてしまい「おなかがゆるくなる」「カロリー過多になる」というデメリットが目立つことになりますのでご注意を。

参考:オリゴ糖とは?働きと効能を解説|明治株式会社
オリゴ糖って何だろう?|株式会社パールエース
腸内環境改善に良いオリゴ糖の種類と特徴とは?!|カンロ株式会社

キシリトール(人工甘味料 糖アルコール)

キシリトールは、虫歯予防効果が実証されている天然甘味料で、白樺や樫の木から抽出される糖分から作られ、砂糖と同程度の甘みを持っています。


カロリーは砂糖の4分の3程度で、血糖値が上がらないため糖尿病の方が摂取しても問題ないとされています。


キシリトールの最大のメリットは、むし歯の大きな原因であるミュータンス菌の活動を弱める働きや歯の再石灰化を促す、などの虫歯予防効果。世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)が安全性や有効性を認めています。

ですがキシリトールは砂糖の約10倍の価格。100%のものは歯科医院でしか手に入らないと考えていいでしょう。


コンビニやスーパーで手に入る物の中には、キシリトールはごくわずかで砂糖や水あめがたくさん使われていた!という商品もあるため注意が必要。虫歯予防には50%以上の濃度のガムやタブレットを継続的に摂取するのが良いとされています。

参考:キシリトール|e-ヘルスネット(厚生労働省)

エリスリトール(人工甘味料 糖アルコール)△

エリスリトールは砂糖の75%の甘みを持つ糖アルコールで、糖質では唯一のゼロカロリー甘味料です。


果実類やキノコ、ワイン・醤油・味噌などの発酵食品に含まれている糖質で、自然な食生活の中で摂取されており、十分な食経験が積み重ねられた「食品」です。(食品添加物ではありません)


エリスリトールはカロリー0で虫歯の原因になりにくく、糖アルコールなのにお腹がゆるくなりにくい、など様々な特長を持つため「シュガーレス○○」や「低カロリー○○」に幅広く利用されています。


JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)において安全性が確認され、ADI(許容1日摂取量)は設けられていません。


さらにインスリンの分泌に影響を与えないため、糖尿病患者にとっても安全と言われており、砂糖の代替商品としての利用もおすすめされていたのですが…

最近になって(2023年)糖尿病など心臓合併症のリスクを高める基礎疾患のある人々は、血流内に高濃度のエリスリトールがあると、心血管疾患の発症リスクが約2倍高くなる、との研究結果が発表されました。


基礎疾患のある方は、使用前にお医者さんに相談しておくことをおすすめします。

参考:エリスリトール|オレオサイエンス
ゼロカロリー甘味料、心血管疾患リスクと関連か|日本経済新聞

はちみつ

美容や健康に良い甘味料といえば「はちみつ」を思い浮かべる方も多いのでは…?はちみつはビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど150種類以上の栄養成分が含まれています。


抗菌作用もあるため喉の痛みを抑えるのにも効果的。ポリフェノールの抗酸化作用や亜鉛・ビタミンB群による美肌作用も期待できる、まさにスーパーフード。


砂糖の約1/3量でほぼ同じ甘さで(はちみつ小さじ1杯と砂糖大さじ1杯がほぼ同じ甘さ)カロリーは329kcal。砂糖(上白糖)は391kcalですので同じ量だとカロリーを抑えることができます。


腸内環境が整っていない赤ちゃんが食べると、はちみつに含まれるボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、さまざまな症状を引き起こすおそれがあります。はちみつを与えるのは1歳を過ぎてからにしましょう。


参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから|厚生労働省

まとめ:避けたほうがいい甘味料は「合成甘味料」!

安全性についてまだまだ分からないことが多いことから、「合成甘味料」は避けたほうがいい甘味料と言えるでしょう。

砂糖と人工甘味料、どっちが体に悪い?なんて論争もあるようですが、極論、減らせるのならどっちも減らすのが一番。笑


それができないから少しでも安全な、すこしでもマシな甘味料を、と思ってるんでしょー!とお叱りの声が飛んできそうですが…。


人工甘味料がカロリーや血糖値の上昇を抑えるのは事実です。ですが「砂糖の代わりに人工甘味料を使えばいつもと同じ食生活で大丈夫でしょ?」と、「変えなきゃいけない食生活」に目を向けず、人工甘味料に頼るのはNG。


結局は「バランスの取れた食生活」に勝るものはないのかもしれません。人工甘味料もメリット・デメリットをきちんと理解して、適量をかしこく摂取するのが得策のようです。