近年、健康志向の高まりもあって「身体に良いオイル」が人気です。スーパーにはたくさんの種類の油が並ぶものの「どれが体にいい?安全な油はどれ?」と迷子になる方も多いのでは?
そもそもスーパーで体にいい安全な油は買えるの?
不安になりますよね…分からないまま、なんとな〜く選んでませんか?
実は、油には「体にいい油=積極的に摂りたい油」と「体に悪い油=減らしたい油」があります。どの種類をどれだけ摂るか、バランスが超大事なんです!
体にいい油って?脂質は重要な栄養素
「脂質」は「たんぱく質」「炭水化物」と並び、人間が生きていくために必要なエネルギーの元になる栄養素です。
脂質は糖質の約2倍のエネルギーを作れる!効率の良いエネルギー源。さらに細胞膜やホルモンの構成成分として重要な役割を果たすとともに、内臓を守ったり、体温を調節したりと、体になくてはならない存在です。
油って健康に良くないイメージだけど、「いい油(脂質)」をしっかり摂る必要があります。
「良い油(脂質)」と「悪い(脂質)」がある!
油にはこのような種類があります。オメガとか、なんか聞いたことある〜って感じですよね。脂肪は身体にとってエネルギー源であり、細胞膜の構成成分にもなる重要な要素。
その一方で、摂りすぎると肥満はもちろん、心臓疾患の危険因子となる「脂質異常症」のリスクが増加するなんとも厄介な存在。
えぇ〜、具体的には、どうしたらいいの?
難しくて覚えられないですよね〜。ということで
- 「悪い脂質」もうこれ以上いらんねん「減らしたい油」
- ほどほどにしとこ「適度に摂りたい油」
- 「良い脂質」頑張って摂りたいけどハードル高い「積極的に摂りたい油」
このように分けて紹介します!
減らしたい油:飽和脂肪酸
動物性脂肪に多く含まれるため、バターや乳製品にも含まれます。加工食品に多く使われる「パーム油」に多く含まれるため、スナックやクッキー、ケーキなどのお菓子、カップ麺や冷凍食品など、知らないうちに取り過ぎの傾向に。
過剰摂取による悪玉コレステロール・中性脂肪の増加、動脈硬化のリスクが高まる、できれば摂りたくない油です。
飽和脂肪酸:お肉の脂、バター、乳製品、パーム油、ココナッツオイル
これはほんまにいらんやつです。笑
適度に取りたい油:オメガ6,9
オメガ6系(リノール酸):白血球を活性化させ、炎症反応を促進させる
オメガ9系(オレイン酸):善玉コレステロールを減少させず、悪玉コレステロールを減少させると言われており、体内で飽和脂肪酸から合成することができます。
オメガ6系:コーン油、ごま油、大豆油、マーガリン
オメガ9系:オリーブオイル、なたね油、こめ油、アボカドオイル
どちらの油も摂りすぎると「悪いことするやつ」になってしまいます。特にオメガ6は取り過ぎ注意です!
積極的に取りたい油:オメガ3
血中の中性脂肪を下げ、高血圧を予防すると言われるオメガ3系(α-リノレン酸)。人間の体内では合成することのできない必須脂肪酸です。
積極的に摂りたい油と言われましても…加熱に向かない油なので、生で食べないといけません。けっこうな難易度です。青魚、しっかり食べましょう。
オメガ3系:えごま油、亜麻仁油、しそ油
ドレッシングを自分で作る人は、えごま油や亜麻仁油にチャレンジするのもいいかも!
オメガ3は酸化しやすいので、できるだけ早く使い切れるよう小瓶で買うのがおすすめ!
オメガ6を減らして3を増やそう!
理想のバランスはオメガ6:オメガ3=「2:1」。ですが、現代人はオメガ6の過剰の傾向にあり、そのバランスは「5:1」や「10:1」とも言われています。
減らしたい「オメガ6」摂りたい「オメガ3」実は正反対の性質を持っており、オメガ6は白血球を活性化して病原菌などと戦います。それとは逆にオメガ3は白血球を抑制し炎症を抑えてくれます。
過剰なオメガ6が白血球を暴走させ、自分の細胞も攻撃してしまっている可能性があるとのこと。血管が傷つき、動脈硬化の原因になると考えられています。
その暴走を止められるのがオメガ3なんですよ!
参考:健康と美容に良いオメガ3 脂肪酸の効果・効率よく摂取する方法とは|NHK
「スーパーで買える安全で体にいい油」選び方のコツとは?
調理の用途別の選び方、安全性に関する選び方のコツを以下に紹介しますので、ポイントを押さえて選びましょう!ですが、安全性を重視するあまり、全ての条件を満たそうとするとやはり割高になるのは避けられません。
どこで折り合いをつけるか、ご自身でしっかり優先順位をつけて選ぶようにしましょう。
安全な油選び方のコツ①:調理に合わせた油を選ぶ
実は油の種類によって、加熱に向いている油とそうでないものがあります。揚げ物には熱に強く酸化しにくい油を選びましょう!
- こめ油
- ごま油
- オリーブオイル
- なたね油
- コーン油
ごま油やオリーブオイルは独特の香りがあるため、揚げ物に使用するのはちょっと…という方にはクセがなく使いやすい「なたね油」や「こめ油」がおすすめです。
種類 | 特徴 |
なたね油 | オメガ9の割合が多く、オメガ3も比較的多く含まれる |
こめ油 | 酸化しにくいので繰り返し使える 油酔いしにくく、後片付けが楽 |
こめ油は、カラッと仕上がり泡立ちも少なく、酸化しにくいため繰り返し使えて経済的。鍋の焦げ付きや油かすが少ないので後片付けも楽チンです。
また、揚げ物をした時の匂いで食欲が減退する「油酔い」の原因となる物質の発生も少ないのが特徴。大量の揚げ物をするため油酔いを経験することが多い給食調理員さんが、こめ油に変えて気分が悪くならなくなった、との声もあるそう。まさに揚げ物にぴったりの油です。
揚げ物が多いなら「こめ油」一択!
なたね油も酸化しにくく熱に強いので揚げ物に向いている油といえますが、油酔いしにくかったり、後片付けが楽、という点ではこめ油に軍配が。
揚げ物はあまりしないなら、オメガ3も摂りやすい「なたね油」がおすすめ!
オメガ3を多く含む油は酸化しやすいため加熱に向きません。ナムルや和物、ドレッシングなどに使いましょう。
- 亜麻仁油
- えごま油
選び方のコツ②:原材料を確認!その原料はどこで作られた?
原材料名の欄にある「国内製造」は、その加工食品が国内で作られたもの、ということです。国産の原材料を使用しているのであれば、写真のように「国産〇〇使用」などの文言が必ずどこかに書いてあります!
どこにも表示がない場合は、輸入原料であると考えて間違いありません。油の原料の場合、輸入されたものはほとんどが遺伝子組み換え作物です。
現在、国内で流通が認められている「遺伝子組換え作物」は9の農産物。
- 大豆
- とうもろこし
- ばれいしょ
- なたね
- 綿実
- アルファルファ
- てん菜
- パパイヤ
- からしな
つまり、ごま油やオリーブオイルは輸入であっても遺伝子組み換えではない、ということ。
日本で遺伝子組み換え原料が使われている場合には表示が義務付けられており、「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」とパッケージに表示されていますが、油はその対象外で表示義務がありません。
現在のところ、日本国内では遺伝子組換え作物は商業的には栽培されていません。また、有機JAS規格では、遺伝子組み換え品種や原材料の栽培・使用は禁止となっているため「国産または有機JAS」表示が付いているものを目印に探しましょう。
- 「遺伝子組み換えでない」という表示がされている
- 原材料名に(国産)と明記してある
- 有機JASの認定を受けている
以上のポイントをチェックすれば、遺伝子組み換え原料を避けられますよ。
参考:遺伝子組み換え食品|消費者庁
選び方のコツ③:絞りかたはどれ?
原料から油を抽出する際には、大まかに3つの方法があります。
名称 | 原料 | 方法 | 特徴 |
圧搾法 | 油分の多い原料 なたね、とうもろこし、紅花、オリーブなど | 物理的に圧力をかけて搾り取る | 時間と手間がかかるが、色や風味など原料そのままの味が楽しめる |
抽出法 | 油分の少ない原料 大豆、米ぬかなど | ヘキサンという溶剤を使って抽出する | 原料のほぼ全てを搾り取ることができるため効率が良い |
圧抽法 (圧搾法と抽出法の併用) | なたね、ひまわりなど | 圧搾法によって大部分を搾油した後、採りきれなかった分を溶剤を使って抽出する | 油分の多い原料はこの方法が用いられることが多い |
圧搾法
なたね、ごま、オリーブなどの油分を多く含む原料を絞る際に使われることが多い方法。昔ながらの製法で、物理的に圧力をかけて搾油します。時間も手間もかかる上に、抽出法に比べて採れる油の量が少ないため、比較的割高になります。
この方法で原料を1度だけ絞ったものを「1番絞り」と呼びます。
抽出法
大豆、米などの油の少ない原料を絞る際に使われる方法。原料に溶剤の「ヘキサン」を加えて抽出し、その後、高温で脱臭、脱色など精製。効率良く原料からほとんどの油分を取り出すことができるため、安価なものが多い傾向にあります。
圧抽法
原料に残っている油を搾り切るために、圧搾法の後に抽出法を使うのがこの圧抽法です。
現在、一般に流通している油のほとんどが「抽出法」か「圧抽法」です。
選び方のコツ④:洗いの方法
油の製造過程には不純物を取り除いたり、臭いを取り除いたりする「精製」の工程があります。この工程を経て、イヤな匂いのない、澄み切ったクリアな油になります。
ごま油やオリーブオイルなど、香りや色味などをそのまま活かすため、浮遊物を除去した後の精製をしないこともあります。
精製には一般的にリン酸や苛性ソーダなどが用いられますが、この工程で化学薬品を一切使わずお湯を使う方法が「湯洗い」です。水は油より比重が重いため不純物と一緒に沈殿するのを利用し、不純物を除去します。
搾油
油分の多い「なたね・ごま」などは圧搾(その後抽出する場合もあります)、油分の少ない「大豆や米」はそのまま溶剤(ノルマルヘキサン)で抽出されることが多いです。
大豆の油を絞った後の”脱脂粕”が醤油の原料「脱脂加工大豆」になるんです。
脱ガム・脱酸
抽出した油にはたくさんの不純物が含まれます。遠心分離機でガム質や遊離脂肪酸を取り除きます。
ガム質は乳化剤として使われる”レシチン”として、遊離脂肪酸は石鹸などの原料として利用されます。
脱色
活性白土という吸着剤を使って、色素成分を取り除きます。さらにろ過器を通してキレイな色の油になります。
脱ロウ
冷えた時に固まりやすい成分(ろう)を冷却して取り除きます。
脱臭
高温・真空の状態で水蒸気を加え、ニオイの成分を取り除きます。
サラダ油などは、これだけの工程を経て「サラサラで使いやすい」ものになっているんですね。
化学薬品に頼らない方法で作られたものにこだわりたいなら、「湯洗い」「温水洗い」がおすすめです。昭和43年に起こった食中毒事件は、いまだに大きな影響を及ぼしています。
事件の原因は、カネミ倉庫社製のライスオイル(米ぬか油)中に、製造の際の脱臭工程の熱媒体として用いられた、鐘淵化学工業(現カネカ)社製カネクロールが混入していたことでした。このため、ポリ塩化ビフェニル(PCB)や、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等が、製品のライスオイル(米ぬか油)の中に混入しました。
カネミ油症について|愛知県
症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。こうした症状が改善するには長い時間がかかり、現在も症状が続いている方々がいます。
この事件は、混入していた油を精製して販売を続けるなど、倫理的にもアウト!な行動が続けられたため被害が拡大しました。
やっぱり安心できるメーカーから購入したいですね。
選び方のコツ⑤:添加物は使われている?
JAS格付けを受けた食用植物油脂の名称を用いる家庭向けの製品には、天然型のビタミンE(α-トコフェロール:植物油自体に豊富に含まれ、抗酸化作用を有する成分)を除き、食品添加物を一切使用してはいけないこととされています。
植物油とJAS制度|日本植物油脂協会
JASマークのついていない油や、香味食用油には、他の添加物が使用されている場合もあります。
※香味食用油:香りのある素材等を食用油に入れて香りを移したもの
また、業務用の油には以下の2点の添加が認められています。
- 酸化防止剤
d-γ-トコフェロール、d-δ-トコフェロール及び ミックストコフェロール - 消泡剤
シリコーン樹脂
大量の揚げ物を調理する際の火災のリスクを防止するため「消泡剤」が添加されていることがほとんどです。
業務用の油は大型スーパーやネットなどでも手に入りやすいですが、家庭用とは目的が違います。購入する際には必ず原材料のチェックをしましょう!安全で体にいい油を選びたいなら原材料の確認はお忘れなく。
選び方のコツ⑥:できるだけ瓶を選ぼう!
油の容器にはプラスチックボトル、缶、など種類がありますが、出来るだけ「瓶」を選びましょう。その理由は「ビスフェノールA(BPA)」という物質。
ビスフェノールAは、ポリカーボネート・エポキシ樹脂の原料として使用され、主にプラスチック容器、食器やコップ等、缶詰めの内面塗装に利用されています。
問題となっているのは、溶け出したビスフェノールAが容器内の食品に移行し、その食品を食べることで健康に影響を及ぼすと考えられていて、特に胎児・乳幼児は代謝機能がまだ万全ではないため、低い濃度でも影響があるとの報告が一部の研究者から出されています。
缶詰は危ない!って騒がれていたのはこれが理由ね…
そのため、食品衛生法では、ポリカーボネート製器具及び容器・包装での材質試験基準500ppm以下、溶出試験基準2.5ppm以下という規格値が定められおり、日本製缶協会では飲料缶で0.005ppm以下、食品缶で0.01ppm以下という自主基準を設け、国内の製缶業界は既に対策を済ませています。
現在では、ビスフェノールAが溶け出したとしても健康にリスクのある量ではないと言えますが、乳幼児のいるご家庭では、避けた方が安全と言えるでしょう。
参考:缶詰やプラスチック容器にビスフェノールA(BPA)は使われていますか?|パルシステム
ビスフェノールA問題についてのQ&A|日本生活協同組合連合会
ビスフェノールAについてのQ&A|厚生労働省
スーパーで買える安全な油 6選!こだわりのお取り寄せ品も紹介
スーパーで買える安全な油のおすすめを紹介!積極的に摂りたい油(脂質)、体にいい油を種類別に紹介します。
ですが、残念ながら大手メーカーの食用油はほとんどが遺伝子組み換え原料。こめ油でさえも国産と輸入原料のブレンド…
じゃあスーパーでは買えないってこと?
ご安心ください!スーパーでも買えます!「プライベートブランド」が狙い目!
1 オメガ3が多く女性に嬉しい:亜麻仁油
- オメガ3が摂れる油として人気
- リグナン:女性ホルモンであるエストロゲンを整えるのに効果的と言われる
(通常、亜麻仁油にリグナンは含まれませんが、亜麻の種に含まれる成分を油に配合しているものがあります。)
亜麻仁油は、亜麻と呼ばれる花の種子から採った油のこと。人類が初めて栽培した植物の1つと言われているほど歴史のある植物です。
亜麻仁油は強い苦味とクセがあるため、そのままの摂取は難しそうなので、レシピなどでおいしく食べられるアレンジを楽しんで。また、亜麻仁油は熱に弱いため、加熱は厳禁。生で食べるのが鉄則です。
トップバリュ オーガニックアマニオイル
さすがはトップバリュ!有機JAS認証のアマニオイルがスーパーでも手軽に購入できるなんて嬉しいです。低温圧搾法で抽出した未精製のオイルです。
原料:ドイツ産 有機アマニ
搾り方:低温圧搾法
ビオプラネット 有機アマニオイル
南フランスのオーガニックオイルの名門「ビオプラネット」社。フランス産・ヨーロッパ産の有機アマニを使用。
高品質な製品を届けるため、製造の工程で何度も成分分析を行うなど、徹底的にこだわった品質管理を行っています。味に自信を持てたもののみがお客様の手元に届く、まさにトップクラスのクオリティです。
原料:フランスまたはドイツ産 有機アマニ
搾り方:低温圧搾 一番搾り
※発泡ポリスチレン容器(カップ麺や納豆の容器など)に亜麻仁油を入れると、容器が変質、破損する場合があります。
参考:発泡ポリスチレン製容器にMCTオイルやえごま油等を加えるのはやめましょう-容器が変質・破損するおそれがあります-
2 オメガ3が多い:えごま油
- 積極的に摂りたいオメガ3の含有量が圧倒的に多い!
- βカロテンやビタミンC、Eが豊富
「えごま」と聞くとゴマ?と思いがちですが、実はシソ科の植物。大葉とよく似た葉を持つ植物の種子がエゴマ油の原料です。サムギョプサルでお肉を包む葉!と言えばピンとくる方も多いのでは?
無味無臭とも言えるほどクセがないため、とりあえず健康のために日々の食事にオメガ3を取り入れたい、とお考えならえごま油からスタートするのがおすすめです。
トップバリュ オーガニックえごまオイル
これまたトップバリュ!えごまオイルもイオンで手に入りますよ!有機JAS認証のえごまから低温圧搾法で抽出した未精製のオイルです。
原料:中国、イタリア産えごま
搾り方:低温圧搾法
奥出雲産 えごま油
栽培期間中は、化学農薬・化学肥料を使用せずに栽培した奥出雲町産のえごま種実を使用しています。手作業で収穫、天日干ししたえごまの実を使い、搾油後は一切手を加えていません。
原料:えごま 島根県奥出雲町産
搾り方:低温圧搾法
※発泡ポリスチレン容器(カップ麺や納豆の容器など)にえごま油を入れると、容器が変質、破損する場合があります。
参考:発泡ポリスチレン製容器にMCTオイルやえごま油等を加えるのはやめましょう-容器が変質・破損するおそれがあります-
3 揚げ物に向いている:こめ油
- γ-オリザノール:こめ油特有の栄養素で、更年期障害の改善に効果があると言われる
- トコトリエノール:ビタミンEの約50倍もの抗酸化力を持つとも言われる
味も香りもクセがなく、サラダ油の代用として使うなら間違いなくコレがおすすめ。
米油は原料の油分が少ないので圧搾法だけで油分を抽出するのが難しいため、圧搾法のこめ油は数も少なく高価な傾向が。
圧搾後、スチームリファイニング製法(蒸気のみで精製する物理性製法)でニオイなどを除去したものは、ノンケミカルで比較的お手ごろな価格です。
ライフ ビオラル 圧搾一番搾り国産なたね油
ライフのプライベートブランド「ビオラル」はオーガニックや健康にこだわった身体に優しい商品を取り扱っています。
国産の米ぬかを使用したこめ油。(米ぬか油とこめ油は同じものです。)
原料:国産の米ぬか
搾り方:抽出法
三和油脂株式会社 コメーユ
一般的な製法の米油に比べ、油の酸化抑制作用があり更年期障害や自律神経の働きを整えると言われるγ-オリザノールを多く含む国産原料を使用した米油。
スチームリファイニング製法(蒸気のみで精製する物理性製法)でノンケミカルです。
原料:国産の米ぬか
搾り方:圧搾法
スチームリファイニング製法
オリザ油化 こめ油
省エネルギー、CO2や廃棄物の発生量を抑え、加工助剤の量を抑える効果がある「低温抽出法」で特許を取得。
原料:国産の米ぬか
搾り方:抽出法
低温抽出法(世界特許)
三和油脂 まいにちのこめ油
SNSでも大人気のこめ油。大きなスーパーなどでも見かけますね。製法にはそんなにこだわらないから、こめ油を試してみたい、という方におすすめ。
原料:国産の米ぬか
搾り方:抽出法
4 理想的な脂肪酸のバランス:なたね油
・オメガ9、6、3のバランスが理想的な油!
SNSで「なたね油は危険!」という情報を目にして「なたね油って使って大丈夫?」と思っていたあなたにサクッと解説。
菜種(なたね)はアブラナ科の植物で古くから日本で親しまれてきましたが、日本固有の品種には、過剰摂取すると心疾患の原因となる可能性があるエルカ酸と、家畜の甲状腺腫を誘因するとされるグルコシノレートが多く含まれることが分かりました。
海外でエルカ酸とグルコシノレートどちらも減少させるよう品種改良された「キャノーラ種」が輸入されるようになり、その後日本のなたねは食用としてほとんど利用されなくなりました。
現在では、低エルカ酸品種の「キザキノナタネ」「アサカのナタネ」や、エルカ酸を含まず、グルコシノレートの量も少ない”ダブルロー”品種の「ペノカのしずく」や「キラリボシ」などが開発されています。
参考:植物油information|菜種生産の限界に挑むカナダ|日本植物油協会
ライフ ビオラル 圧搾一番搾り国産なたね油
こちらもスーパーライフのプライベートブランド「ビオラル」のもの。希少な国産のなたねを使用した圧搾一番搾り!がスーパーで買えます。
原料:国産なたね
搾り方:圧搾法 一番搾り
カネゲン 平田産業 純正菜種油 一番搾り
非遺伝子組み換えのオーストラリア産なたねを原料とし、圧搾一番搾りのみを使用したなたね油。湯洗い製法です。
原料:オーストラリア産なたね(遺伝子組み換えでない)
搾り方:圧搾法
米澤製油 圧搾一番搾り なたねサラダ油
なたね油一筋、120年の歴史を持つ製油メーカー、米澤製油。湯洗い洗浄法はなんとこちらのメーカーの特許。化学薬品に頼らず、安心・安全な油作りに取り組まれています。
一番絞りなのにサラサラでクセもなく、お菓子作りにも最適。
原料:なたね 遺伝子組み換え混入防止管理済
搾り方:圧搾法 一番搾り
湯洗い洗浄法
こちらが国産100%↓
5 抗酸化作用が高い:ごま油
- セサミン:高い抗酸化作用があり、血圧の上昇を抑え、肝機能の改善につながると言われる
- ビタミンE:こちらも抗酸化作用があり、ストレスから体を守り老化予防にも
- セレン:老化防止の効果が期待できるミネラル ビタミンEと一緒に摂ることで効果がアップ!どちらも含まれるごま油はまさに理想的!
独特の香りが料理のおいしさを引き立てるごま油。酸化に強く揚げ物や炒め物、ナムルや和物、ドレッシングと幅広く使えるのが最大の魅力!
ごま油は焙煎度合いで色や風味が異なり、濃い色味で香ばしい風味のあるものから、上品な香りのものまで様々な味と香りを楽しむことができます。
焙煎せず、生のまま絞って精製した「太白ごま油」は透明でクセがなく、お菓子作りにも使用できますよ。
西友 みなさまのお墨付き 純正ごま油
こちらは国内有数のごま油メーカー「竹本油脂」が製造しています。竹本油脂は、ごまの産地調査や第三者機関による残留農薬のチェックを行うなど、安心・安全にこだわるメーカーです。
原料:ごま 産地不明(竹本油脂ではナイジェリア、タンザニア、アフリカの国々から調達)
搾り方:圧搾法
九鬼 ヤマシチ純正胡麻油
「九鬼産業」のごま油は種類が豊富で、どれにしようか迷いますが、まずは看板商品のコチラを試してみるのがいいかと思います。クドくない香ばしさでお上品な味。
安心・安全のために国産ごまを普及させるための取り組みや、フェアトレードの商品の開発、公式サイトでは各商品のごまの原産地や、炒りごまなどの残留農薬量を公開しています。
原料:ごま ナイジェリア、タンザニア、マリ、ブルキナファソ、マラウイ、モザンビーク
搾り方:圧搾法
京都 へんこ 山田製油 黒胡麻油
創業以来「ごまかしのなしのごま油」を伝統の製法で手間ひまかけて作り、守り続けている「へんこ」を貫く山田製油。
普通のごま油じゃ物足りない!ガツン!と濃厚なコクが欲しい方のための「黒胡麻油」。中国・韓国料理などの力強い料理に良く合います。
原料:黒ごま ミャンマー
搾り方:圧搾法 一番搾り
6 オメガ9の宝庫!:オリーブオイル
- オメガ9:LDL-コレステロールの正常化をサポート
- ポリフェノールとビタミンE:抗酸化作用で、美容効果を期待できる
日本の食卓にもお馴染みとなった「オリーブオイル」。熟す前の青い実を早摘みしたオイルと、完熟した黒い実から採ったオイル、2つのバランスで味と香りが決まります。
ピリッとした苦味や豊かな香りのもの、マイルドでフルーティな香りのもの。個性豊かな味と香り、ぜひお気に入りを見つけて下さいね。
日本は国際オリーブ協会に加盟していないため、JAS規格と基準が異なります。そのため日本で「エキストラバージン」とされていても世界基準(IOC規格)を満たしていないこともあります。
オリーブオイルを選ぶ際は「有機認証」マークがあるものや、世界のコンテストで受賞歴のあるものを選ぶといいでしょう。
アルチェネロ 有機エキストラバージン オリーブオイル ドルチェ
アルチェネロは、化学肥料に頼らず、人と自然の力のみで作物を育てる「有機農法」のパイオニア。もちろんすべての製品は100%オーガニックで安全性・品質・味にこだわり続けるブランドです。
原料:有機オリーブ
搾り方:低温圧搾法
メルガレホ オヒブランカ エキストラバージンオリーブオイル
オリーブジャパン2023年最優秀賞をはじめ、世界各国のコンテストで受賞歴のあるオリーブオイル。今では当たり前となった「早積みオリーブ」の先駆者がメルガレホです。
原料: スペイン産オリーブ オヒブランカ種
搾り方:低温圧搾法
できるだけ安全なものを口にしたいけど、自宅の近くで納得できる品質のものが売ってない!それなら、無添加や無農薬などの厳しい安全基準を設けているを始めてみるのはいかがでしょう?
やみくもに原材料のチェックするのって疲れちゃいますよね?実際のところここで紹介したものも、スーパーによってはなかなか取り扱っていなかったり。
「食材宅配」をおすすめしたい理由は…取り扱い商品の中から選ぶだけで安全性の高い商品が買えるため、日々のお買い物がめっちゃラクになるということ!
「大地を守る会」や「生活クラブ」「らでぃっしゅぼーや」では、国よりも厳しい独自基準をクリアした信頼できるメーカーの「本物の油」など、こだわりの商品を扱っています。
添加物が入っていた場合「この食材宅配でOKしているということは、そんなに危険じゃないのかも?避けなくてもいいかな?」と参考にもなります!
激的にお得なお試しセットがあるメーカーもあります!もうお試ししない理由がないってくらいお得なやつとかあります 笑 ぜひチェックしてみて下さいね!
安価な油が身体に悪いと言われる理由:4つ
では、順に1つづつ解説していきます!
身体に悪いと言われる理由①:遺伝子組み換え原料が使われている
安価な油の原料として多く用いられているのは輸入原料。大豆やトウモロコシをはじめ、なたねに至っては国産の割合が0.1〜0.2%です。
この輸入原料のほとんどが遺伝子組み換え作物である可能性が高く、推定値では「大豆:94%、なたね:65%」となっています。
参考:日本での利用状況|バイテク情報普及会
国内で流通している遺伝子組換え作物は、食品衛生法に基づく安全性審査を経ています。表示の対象となる農産物やそれを原料とした加工食品は9農産物33加工品群となります。
遺伝子組換え食品|消費者庁
「食品・肥料」としての安全性を確保できるよう、「生物多様性」への影響がないよう、それぞれ科学的な評価を行い、問題のないもののみが栽培や流通できる仕組みとなっており、組み込んだ遺伝子が作るタンパク質がアレルギーの原因にならないか、有害物質を作ることがないか、などのチェックも行われています。
じゃあ遺伝子組み換え原料って何が悪いの?
今までに経験のないことはこれからどうなるのか誰にも分かりませんよね。不安な要素のある食品を口にするのは抵抗がある…と考えるのも当然のことと言えるでしょう。
アレルギーの原因となる、と言う指摘もあったり、環境への負荷も気になるところです。
✔︎ 遺伝子組み換え原料は「危険!摂っちゃダメ!」ではなく「安全と言い切れない・疑わしい」ので、避ける方がベターです。
参考:遺伝子組換え食品|消費者庁
遺伝子組み換え商品の安全性について|厚生労働省医薬食品局食品安全部
身体に悪いと言われる理由②:トランス脂肪酸
結論:安価な油にはトランス脂肪酸が含まれています!
原料から抽出した油には不純物が多く含まれ、濃い色味や強い匂いがあります。油脂を高温で加熱し、脱臭する過程でトランス脂肪酸が生成されます。
じゃあ揚げ物をしている時にもトランス脂肪酸は発生するってこと?
農林水産省が調査した結果では、通常の揚げ物をする温度(160~200℃)では、同じ油を何回も繰り返し使ったとしても、発生するトランス脂肪酸の量はごくわずかだったそうです。
さらに各メーカーはトランス脂肪酸量を減らすために様々取り組みをしており、ここ数年、数値が大幅に減っています。もはやバターより少なくなっているマーガリンとほぼ同量です!
こちらがマーガリンのトランス脂肪酸の含有量。g/10gとなっているので、100gに換算すると、ほとんどの商品が約1g。
表を見ても明らかなように、サラダ油はトランス脂肪酸の量が他と比べて多めですね。
✔︎ 日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、WHOが目標とする数値を大幅に下回っています。脂質に偏らず一般的な食生活であれば、健康への影響は少ないと考えられていますが、摂らないに越したことはないと思います。
参考:食品に含まれるトランス脂肪酸の由来|農林水産省
身体に悪いと言われる理由③:サラダ油の有害物質で認知症になる?!
「サラダ油を使い続けると認知症になる」という噂を巻き起こしている物質「ヒドロキシノネナール」は、油脂に含まれるリノール酸が加熱(200℃)によって分解され生成される有害物質です。
実際のところ、本当に認知症になるのでしょうか?
現時点では、ラットによる動物実験の結果しか分かっていません。
通常の脳であればヒドロキシノネナールは別の物質へと代謝されますが、加齢に伴う酸化ストレスが増えることによってヒドロキシノネナールの蓄積が進行し、細胞障害を引き起こす。という内容。
う〜ん、原因の1つではある、という研究結果ですが、ヒトに対して直接的な科学的根拠がある、とは言い切れないようですね。
しかも、サラダ油は製造の段階で熱処理をするため、ヒドロキシノネナールが大量に含まれている!という噂まで。こんなこと言われちゃったらメーカーもたまったもんじゃない、とばかりに検査されてます。
こちらは「オリザ油化」が独自に検査した結果です。オリザ油化さん、米油のメーカーさんなのに他の種類の油も検査してる…ちょっと涙ぐましい。加熱前の油にはいずれも含まれていないという結果が。
こちらは独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所のデータ。
✔︎「加熱する前の生のサラダ油にヒドロキシノネナールは含まれていません」
噂ってホント怖い…根拠のなさそうな情報は、100%事実として受け止めないことを激しくおすすめします。
参考:米油って何?効能・特徴について|オリザ油化
食用油の加熱によって生じる有害アルデヒド4-hydroxy-2E -nonenal およびその類縁化合物4-hydroxy-2E -hexenal の定量分析|独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
身体に悪いと言われる理由④:製造過程で化学物質を使っている
原料から油分を分離させる際、有機溶剤である「ノルマルヘキサン」を使って抽出する方法があります。
このヘキサンは食品衛生法で認められている食品添加物。製品に残らないので加工助剤の扱いです。なので、どの油の原材料を見ても表示されていません。(加工助剤について詳しくはこちらの記事を)
使用基準として、食用油脂製造の際の油脂を抽出する目的以外に使用してはならない、使用したヘキサンは最終食品の完成前に除去しなければならないことが定められています。
完成前に除去されている、と言われても気になるものは気になっちゃう?
✔︎ ヘキサンは精製の工程で完成前に除去しなければならない、となっていますが、安心なのは昔ながらの圧搾法。圧搾法は原料のもつ風味を損なわずに栄養素も多く残ると言われています。
参考:各添加物の使用基準及び保存基準|日本食品化学研究振興財団
安全な油も「使い方・保存」には要注意!
1番身体に悪いのは「酸化した油」?!
油と空気中の酸素が反応し「酸化」が起きます。さらに、光や熱、水分などと接触するとどんどん劣化し、イヤなニオイがしたり、色が濃くなったり、と品質が低下してしまいます。
酸化した油が原因で胸焼けしたり、お腹が痛くなったり…。ツンとするようなひどい匂いがあるような場合では、嘔吐や下痢など食中毒に似た症状が出ることも。
以前、友人達と天ぷらを食べた後、全員お腹痛くなったことが…酸化した油だったのかしら 汗
どんなに安全な油でも酸化してしまうと危険な油!上手に保存しておいしいうちに使い切りましょう!
どうやって保存する?
油は開封後、冷蔵庫に入れる必要はなく常温で保存が可能です。この際、注意したいのが保存場所。
しまうのが面倒だからと調理台の上、特にガスコンロ辺りに置いてませんか?コンロ付近は台所の中でも温度が上がりやすい場所ですので保存するには不向きです。
また、台所の窓付近も直射日光が当たり酸化を早める原因に。さらに蛍光灯の光でも酸化は進みます。涼しくて暗い場所=冷暗所に保存しましょう。
蛍光灯もダメなんだ!出しっぱなしは基本NGなのね…
油の使い回しは正しい方法で!
揚げ物をした後、1回で捨てるのはちょっともったいない…と思ったあなたは主婦主夫の鏡!
でも酸化が危ないんでしょ?使いまわしちゃだめ?
正しく「処理・保存」すれば使い回ししても大丈夫やで!
使った後の油の処理方法
まずは、熱いうちに処理をするのがポイントです。そのまま放置することで酸化が進んでしまいますのでご注意を!
- 調理後、網じゃくしなどで「揚げカス」を取り除きます。
- 油が冷めきる前に、こし器などで「ろ過」します。
- 充分に冷めたらきっちりフタをして冷暗所へ。
揚げカスは放っておくと焦げてニオイの原因になりますので、一旦大まかに取り除きましょう。
その後、火傷しない程度の熱さにまで冷めたらこし器でろ過しましょう。こし器がない場合、キッチンペーパーでも代用可能。ここで小さい揚げカスも取り除きます。この際、こし器のついた保存容器があれば便利ですね。
油は完全に冷めてしまうと粘り気が出てこしにくくなってしまいます。やけどに注意して、早めに処理しましょう。
揚げ物をした油の保存期間は2〜3週間が目安です。
酸化した油の見分け方
油の再利用はおおむね3〜4回。野菜などを素揚げした場合には数回使えますが、肉や魚を揚げると油の劣化は進みやすくなりますし、下味をつけた唐揚げなどは1回でもかなり汚れます。
以下のポイントで油の状態をみて判断するようにしましょう。
色 | 色が濃くなり、透明度が減る |
ニオイ | イヤな「油臭さ」を感じる |
泡 | 消えにくい泡(カニ泡)が出る |
粘度 | 粘りやこびりつきが出る |
煙 | 低い温度で煙が出る(新鮮なら230〜240℃まで煙は出ません) |
右がカニ泡で揚げ物を見失いそうな図。ここまで使っちゃあいけません。
開封後、どれくらいの期間もつの?
油は一度開封すると、空気や光により酸化が進みます。しっかりとキャップを閉めた上で、光の当たりにくい冷暗所に保管し1〜2ヶ月以内を目安に使い切るようにしましょう。
どれくらいで使い切ってるんだろう…分からないな。
ですよね〜、揚げ物などを頻繁にしない場合は意外と消費ペースが遅いかも。使い切れる量で購入するのがベストです!
まとめ:体にいい安全な油はスーパーで買える!コツを押さえて賢く選ぼう!
いかがでしたでしょうか?
安価なものには、それなりの理由があります。しっかりと原材料や製法をチェックして、安全で身体にいい油へとシフトしましょう!
健康のためにも「飽和脂肪酸」と「オメガ6」を減らして「オメガ3」を増やす。できることから始めよう♪
「本物」と言われる調味料は、時間と手間が惜しみなくかけられています。確かに高いかも知れませんが、納得のお値段と言わざるを得ません。
品質・安全性の高い調味料は、高いけど、おいしい!と常々私は感じております。良いものを選びましょう。それだけの価値があります。