おいしくて安全なお醤油が欲しいけど、どれを選べばいいのか分からない…
同じような原材料なのに値段が全然違うしねぇ〜…
醤油の種類
醤油はJAS規格で5つに分類されます。
- 濃口(こいくち)醤油
- 淡口(うすくち)醤油
- 溜まり(たまり)醤油
- 再仕込(さいしこみ)醤油
- 白(しろ)醤油
聞いたことはあるけど、あんまり使ったことのないお醤油も多いのでは?
原料 | 色味 | 特徴 | 出荷量 | |
濃口醤油 | 大豆:小麦 1:1 | 日本全国で1番使われる一般的な醤油 調理用、卓上用に使える万能調味料 | 84.0% | |
淡口醤油 | 大豆:小麦+米 1:1+米 | 関西地方で多く使われる 色や香りがおさえてある醤油 濃口より1割ほど食塩量が多い | 12.0% | |
溜まり醤油 | 大豆がほとんど 小麦は少量 | 色が濃く、とろみがあり旨みが強い 加熱すると赤みがかったキレイな色が出るので煎餅や照り焼きなどに使われる | 2.2% | |
再仕込醤油 | 大豆:小麦 1:1 | 通常の製法では麹を食塩水で仕込むが生揚げ醤油で仕込むため「再仕込み」と呼ばれる 色・味・香り、が濃厚 | 1.0% | |
白醤油 | 小麦がほとんど 大豆は少量 | 淡口よりさらに薄い琥珀色 甘み・塩味が濃く独特の香り | 0.8% |
参考:しょうゆの不思議 改訂2版|日本醤油協会
おいしく安全な醤油の選び方 押さえたいポイントとは?
①:原材料の産地はどこだ!?
まずはボトルの原材料名をチェック!国産の原材料を使用している場合、写真のように「国産〇〇」などの文言が必ずどこかに書いてあります!
どこにも表示がない場合は、輸入原料であると考えて間違いありません。醤油の原料は、輸入であればほとんどが遺伝子組み換え作物です。
醤油は、遺伝子組み換え表示制度では表示義務の対象ではありませんが、メーカーが自主的に下記のような表示を行っています。
分別生産流通管理をして意図せざる混入を5%以下に抑えてある | 「原材料に使用している大豆は遺伝子組み換えの混入を防ぐため分別生産流通管理を行っています」 「大豆(分別生産流通管理済み)」 「大豆(遺伝子組み換え混入防止管理済み)」 |
分別生産流通管理をして、遺伝子組み換えの混入がないと認められる | 「遺伝子組み換えでない」 「非遺伝子組換え」 |
なんかややこしくて、どれが大丈夫なものか分かりにくい…!
現在のところ、日本国内では遺伝子組換え作物は商業的には栽培されていません。また、有機JAS規格では、遺伝子組み換え品種や原材料の栽培・使用は禁止となっているため「国産または有機JAS」表示が付いているものを目印に探しましょう。
以下のポイントをチェックすれば、遺伝子組み換え原料を避けられます!
- 「遺伝子組み換えでない」という表示がされている
- 原材料名に(国産)と明記してある
- 有機JASの認定を受けている
②:大豆の種類は?
醤油の原材料として使われる大豆には2種類あります。
- 丸大豆(加工されていない大豆のこと)
- 脱脂加工大豆
ラベルで見たことあるけど、脱脂加工大豆って何…?
あらかじめ大豆油を取り除き、醤油作り専用に加工したもの。丸大豆から作る醤油に比べ、安くて短期間で作ることができます。
脱脂加工大豆って大豆の搾りカスだから安くて粗悪品、なんて思ってない?
戦中戦後、食料難で丸大豆が入手できず、代用品として利用したのが始まりですが、たくさんのメリットがあることが分かり、現在では国内の醤油の約8割が脱脂加工大豆から作られています。
詳しくはこちらをどうぞ。↓
理由1:安く、おいしく醤油が作れる
脱脂加工大豆は粉砕され、フレーク状になっているため分解にかかる時間が短い上に、多くのタンパク質を分解することができます。つまり、短い時間でおいしく作ることができる、ということ。
JAS規格の格付け検査では、醤油のうま味を「窒素」で測りますが、実は脱脂加工大豆の方がこの数値が高くなる=おいしくなる、ということが分かっています。
さらに丸大豆と比べると安い!
理由2:廃棄物を有効利用できる
丸大豆から作られる醤油にはたくさんの油が含まれています。醤油のもろみをしぼった生揚げしょうゆの上に浮かんできます。
取り除かれる「しょうゆ油」は、長い熟成期間を経て酸化し、塩分も含まれるため工業用の石鹸や機械油、燃料として再利用する以外には、ほとんどが廃棄されています。
しかし、これを先に取り除いておけば「大豆油」として有効活用できるのです。
なるほど!あらかじめ取り除くことで、厄介な「廃棄物」を「食用油」にできるんですね!
参考:原料と製造法|しょうゆ情報センター
⚫︎味の違い⚫︎
丸大豆:上品な甘味とまろやかな香り
脱脂加工大豆:強いうま味とキレのある風味
③:醸造法は?
しょうゆ=濃口醤油と言われるほど、全国的に普及している「濃口醤油」の製法には3種類あります。
- 本醸造
- 混合醸造
- 混合
順に説明していくよ〜!
本醸造
いわゆる「小学生が教科書で学ぶような、昔ながらの製法」がこの「本醸造」。現在販売されている醤油の8割以上を占めます。
蒸した大豆(または脱脂加工大豆)と炒って砕いた小麦を混ぜ合わせ、種麹を加えて「こうじ」を作ります。そして食塩水と一緒に仕込み、醤油のもとになる「もろみ」を作ります。
半年〜2,3年ほどかけて発酵・熟成させると、しょうゆ特有の色・味・香りが出来上がります。
混合醸造・混合
混合醸造:「もろみ」にアミノ酸液を加え一緒に「発酵・熟成」させる
混合:「生揚げ醤油」にアミノ酸液を加える
「混合醸造・混合」方式は、戦時中、醤油の原料が手に入らない中で、アミノ酸液を使い研究・開発されて始まった方法。
戦後、本醸造方式の製造に戻ったメーカーと、すでに馴染んだ味を守るため混合方式を続けるメーカーとに分かれ、地域での違いにつながっています。
一部の地域では甘味のある混合しょうゆが好まれ、郷土料理には欠かせない存在。この醤油でないと味が決まらない!という方も多く根強い人気を誇ります。
※アミノ酸液とは?
脱脂加工大豆や小麦グルテンなどの植物性タンパク質を塩酸で分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したものです。
しょうゆの不思議 改訂2版|日本醤油協会
いわばうま味をぎゅっと凝縮した調味液ですね。調味料としての「調味料(アミノ酸)」とは別物です。
本醸造の醤油に砂糖や甘味料などを添加している甘口醤油もあります。
醤油の醸造法は、ラベルに表示されています
名称の欄には「醤油の種類と製造方式」が記載されています。
左:有機こいくちしょうゆ(本醸造)
右:こいくちしょうゆ(本醸造)
さらにこだわりの製法「天然醸造」
本醸造の中でも、JAS規格では以下の3つの条件を満たしているものを「天然醸造」と表示して良いことになっています。
- 本醸造で作られている
- しょうゆ麹のみで作られている
- 科学的に合成された食品添加物を含んでいない
大豆・小麦・食塩のみの本醸造で作られ、昔ながらの伝統的な製法で作られたものが「天然醸造」です。熟成期間が半年が主流の現在、酵母の力のみで発酵させるのは時間も手間もかかるため、国内での生産量はたったの1%未満、超希少な醤油です!
無添加の醤油が欲しいなら「天然醸造」を選ぶと間違いなし。
④:添加物は使われている?
どんな目的で添加物が使われているの…?
JASマークの付いている醤油では使用目的別に種類が決まっており、使用できる数も必要最低限に抑えられています。
分類 | 使用目的 | JASで使用できる添加物 |
甘味料 | 甘味をつける | カンゾウ、サッカリン、ステビアなど |
着色料 | 色味を整える | カラメル色素 |
保存料 | 保存性を高める | 安息香酸ナトリウムなど |
増粘安定剤 | とろみをつける | キサンタンガム、グァーガムなど |
酸味料 | 味と香りのバランスを整える | クエン酸、乳酸など |
調味料 | 味を整える | アミノ酸など |
日持向上剤 | 品質を保持する | アルコール、ビタミンB1など |
甘味料
九州や北陸などでは砂糖や甘味料を添加した甘い醤油が好まれます。
こちら、九州の甘口醤油の原材料
アミノ酸液(国内製造)、食塩、脱脂加工大豆、小麦、砂糖、果糖ぶどう糖液糖/アルコール、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料(ステビア、甘草)、V.B1
何種類か調べましたが、調味料(アミノ酸等)、甘草、ステビアはほとんどの甘口醤油に入っていました。
アルコール
アルコールは醤油に使われることの多い添加物で、特に減塩醤油にはかなりの確率で入っています。(醤油は醗酵食品のため、もともとアルコール分が含まれていますので、アルコールが入ってない醤油はありません。)
醤油は塩分濃度が高いためカビなどの微生物が増殖する可能性は低いのですが、通常のものと比べると半分程度の塩分濃度しかない減塩醤油においては、白カビを防止するためにアルコールを添加しています。
酸味料
これまた減塩醤油に使われていることが多い添加物。
減塩醤油っておいしくするの難しいみたいですよ…
そりゃあ、塩分を50%近くもカットすればおいしくなくなるのは当然?塩味を引き立て、後味をすっきりとさせるために使われているようです。
食事制限などで塩分を減らさないといけない方にとっては、添加物より塩分が優先。減塩を続けられるようなおいしさになるよう工夫されています。
増粘安定剤
さしみ醤油に使用されることが多く、適度なとろみを持たせ、お刺身に絡みやすくなるようにしています。
無添加で探すなら、原材料の欄はしっかりチェックしましょう!
⑤:桶仕込み?それともタンク?
酵母が住みつく木桶で仕込んだものはおいしくなる…と言われていますが、実際のところはどうなんでしょうか?
木桶で仕込まれた醤油は、桶ごとに味が少しづつ異なります。なので桶ごとに機械で成分を分析し、職人さんが味見をして、どの桶の醤油をどれくらい配合するかを決めて、2〜3の桶の醤油を混ぜ合わせます。
桶ごとに違うんだ!さすが生き物(微生物)が作ったものですね!
温度変化によって発酵の具合は変わります。毎年違う気候により、微生物も少しづつ変化します。自然が作る醤油は、当然ながら味にバラつきがでてしまいます。
一方、タンクで作られた醤油は微生物を添加し、発酵をある程度コントロールできるので、一定の品質のものを作りやすいのです。
一定の品質を保てる、ということは醤油の味がいつでもほぼ同じ、ということです。いつもと同じレシピで作ったら、いつもと同じ味になるんです。
これが飲食店や加工食品メーカーにおいて、どれだけ重要なことかはもうお分かりですよね?今年の醤油、いつもと同じレシピで作ってるのになんか味が違う…ってチェーン展開している飲食店などでは一大事。えらいこっちゃです。
これをご自身の台所に置き換えて、どう捉えるか、どう判断するかはお任せします。
その蔵元にしか出せない風味・味を愉しみたいなら「桶仕込み」がおすすめ!
知っておくと選びやすい?!醤油の知識
醤油は地域によって味が違う!
調べてみるまで、地域によってこんなにも味に違いがあるとは知りませんでした…!九州で甘いお醤油が好まれる、というのは聞いたことありましたが、東北や北陸でも人気なんですね〜。
北海道
関東風の「本醸造の濃口醤油」が主流。北海道の農地開拓は共働きがメインであったため、調理に時間をかけない「手軽な調味料」が受け入れられるようになり、つけ・かけ用の「濃縮つゆ」が人気。
北海道産の昆布を使用した「昆布醤油」も今では全国へ広がっています。
東北
やや甘めの「濃口の混合醤油」が沿岸部を中心に人気。「濃縮つゆ」や「だししょうゆ」を醤油代わりに使う地域もあります。
関東
江戸時代に生まれた濃口醤油の一大産地。甘みのないすっきりとした「本醸造の濃口醤油」がスタンダード。そば・天ぷら・うなぎの蒲焼など、江戸料理が生まれたとされています。
現在「濃口醤油」の主要生産地は千葉県野田、銚子です。
北陸
九州地方に並ぶ「甘めの混合醤油」が人気の地域です。能登半島では北に行くほど甘くなるとか。新鮮な海の幸に甘口の醤油が良く合うようです。
中部
「本醸造の濃口醤油」が多く使われていますが、中部地方は「たまり醤油」と「白醤油」発祥地です。
「たまり醤油」は、ひつまぶしのタレや伊勢うどんのつゆなど、名物料理に欠かせない存在。「白醤油」は茶碗蒸しなど、素材の色を活かした料理に使われています。
伊勢うどんのつゆって、むっちゃ色が濃いよねぇ〜!
近畿
「濃口醤油」と「淡口醤油」を料理によって使い分ける地域。京都の懐石料理など、出汁をきかせ素材の鮮やかな色味を活かす料理には「淡口醤油」が用いられることが多いです。
関西生まれ、関西育ちの私の実家には「淡口」と「濃口」が2本常備されていました。
中国
山口県は「再仕込み醤油」の発祥地。九州南部からやってきた「甘めの混合の濃口醤油」が好まれています。広島では地元の牡蠣を使用した「牡蠣しょうゆ」など、醤油加工品も作られています。
四国
愛媛・高知は九州からの影響を受け「甘みの強い混合醤油」、江戸時代から醤油の産地である香川県小豆島は、関東と同じく甘みのない「本醸造の濃口醤油」を作っています。
讃岐うどんのつゆには「混合の淡口醤油」が使われています。
同じ四国でも地域によって使われる醤油が違うなんて、興味深い…
九州
全国でも随一、甘めの醤油が好まれる地域。砂糖や甘味料を添加したものが多く、南部へ行くほどより甘みが増す、とされています。
「甘みの強い混合醤油」が人気ですが、北部では「砂糖や甘味料を添加した本醸造の醤油」も作られています。
参考:製法|醤油情報センター
生醤油ってなんだ?
「醤油は生(なま)がいい」って、TVのCMで誰か言ってたな…
生(なま)醤油って一体何?と思ってらっしゃる方も多いかも?私もこの記事を書くまでは良く分かりませんでした。
通常、醤油は「もろみ」を絞った後に「火入れ」を行い微生物の働きを止めます。生(なま)醤油とは「火入れ」を行わずに精密なフィルターでろ過し、菌を取り除いたもの。
火入れをしていない分、味や香りが穏やかなのが特徴です。
ちなみに「生醤油」を「きじょうゆ」と読む場合、意味が違ってきます。もともと料理業界の言葉で、出汁や他のもので味付けをしていない、何も加えていない醤油のことを「生(き)醤油」と呼びます。
もう1つ似たような「生揚げ醤油(きあげしょうゆ)」というのがありますが、こちらは「もろみ」を絞ったそのまま、「火入れ」も「ろ過」もしない醤油のこと。
火入れもろ過もしないということは、微生物がそのまま生きてます。発酵してしまうので一般に流通させることができず、醤油蔵の直売所などで販売されています。
ラベルをいちいち確認するの面倒だな…近くのお店には売ってなかった…なら、安全性にこだわっている「食材宅配」を利用するのもおすすめです。
「大地を守る会」や「生活クラブ」「らでぃっしゅぼーや」では、国よりも厳しい独自基準をクリアした信頼できるメーカーの醤油など、こだわり商品だけを取り扱っています。
おいしく安全な醤油 おすすめ7選!
正金醤油 天然醸造こいくちしょうゆ
天然醸造って、希少価値が高いから価格が高いだけじゃないの?と思ったアナタに試してみて欲しい1品。開栓した時のふわぁ~と立ち上る香りがたまりません!天然醸造は本当に香りが良くて、ちゃんと醸された香りがします。
我が家ではかけ醤油として使っていますが、お魚に使うと絶品!焼き魚もお刺身もびっくりするくらいおいしくなります。魚のうま味が引き立ってシンプルにお醤油だけ、でも十分なおいしさ。
調理に使うのはちょっともったいないかなぁ~、と貧乏性ゆえ思ってしまいますが、家族全員の要望により、かけ醤油だけは天然醸造のものをリピートしています。
名称:こいくちしょうゆ(天然醸造)
原材料:大豆(国内産)、小麦(国内産)、食塩(オーストラリア原産)
亀甲萬本店 御用蔵
「御用蔵」では戦時中で原料が少なく、醤油作りが難しくなった際にもそれまでと同じ材料・伝統的な製法で醤油作りを続けたことで、技術が途絶えることなく今に続いています。
宮内庁にお納めする醤油は、選り抜きの国産原材料で作られています。贈り物にも最適!
名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料:大豆(新潟県産)、小麦(群馬県産)、食塩(国内製造)
弓削多 有機醤油 天然醸造
”おいしさはもちろん、安心して口に入れられるものを”という信念のもと作られた国産の有機大豆・小麦を使用し木樽で発酵・熟成させた醤油。
香り高く、旨味の多い天然醸造の醤油は、お刺身にも合う!との声多数!弓削多の醤油はファンが多いんです。
名称:有機こいくちしょうゆ(本醸造・天然醸造)
原材料:有機大豆(国産、遺伝子組換えでない)、有機小麦(国産)、食塩
森田醤油 国産丸大豆醤油こいくち
“誰もが安心して口にすることができる” 当たり前を、真面目に丁寧に。国産の丸大豆、国産小麦、天日塩を使用し、木桶で熟成させたこいくち醤油です。
この原材料・木桶仕込みでこのお値段、すごいの一言です…。リピーターさんが多いのも頷けるこだわりの1品!
名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料:大豆(島根・山口・広島)、小麦(島根・山口)、天日塩
フンドーキン 生詰無添加丸大豆生しょうゆ
言わずと知れた九州を代表する醤油・味噌メーカー「フンドーキン」の「火入れ」を行わない「生(なま)醤油」です。
名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料:大豆(国産、分別生産流通管理済み)、小麦(国産)、食塩
キッコーマン 特選有機醤油
原材料は、有機丸大豆と有機小麦を使用し、工程も含めて有機JASの認定を受けています。スーパーで国産のものが見つからない時など、こちらも選択肢に入れると◎
名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料:有機大豆(アメリカ)(遺伝子組み換えでない)、有機小麦、食塩
ごとう醤油 甘口醤油 茜・粋
九州の甘い醤油が好きだけど、できるだけ添加物を減らしたい!と思う方に人気なのがこちらの醤油。氷砂糖を加え、無添加だけど、ほんのり甘口に。
名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料:大豆(福岡県産フクユタカ)、小麦(福岡県産チクゴイズミ)、食塩(長崎県産崎戸塩)、氷糖蜜(福岡県産)
刺身醤油は甘くなくっちゃ!な方にはこちらがおすすめ。2年かけてじっくりと熟成された甘露醤油とも呼ばれる濃厚な旨みと甘味が特徴の醤油です。
名称:さいしこみしょうゆ(本醸造)
原材料:大豆(福岡県産フクユタカ)、小麦(福岡県産チクゴイズミ)、食塩(長崎県産崎戸塩)、氷糖蜜 (福岡県産)、水飴 (福岡県産)、本みりん (熊本県産)
安価な醤油が嫌われる理由とは?
輸入原料は、ほぼ遺伝子組み換え
醤油の主な原材料は「大豆・小麦・塩」ですが、大豆はほとんどが、小麦は約8割、食塩は約9割が輸入です。
「食品・肥料」としての安全性を確保できるよう、「生物多様性」への影響がないよう、それぞれ科学的な評価を行い、問題のないもののみが栽培や流通できる仕組みとなっており、組み込んだ遺伝子が作るタンパク質がアレルギーの原因にならないか、有害物質を作ることがないか、などのチェックも行われています。
そんなに安全性も確認されているのに、遺伝子組み換え原料って何が悪いの?
今までに経験のないことはこれからどうなるのか誰にも分かりませんよね。不安な要素のある食品を口にするのは抵抗がある…と考えるのも当然のことと言えるでしょう。
✔︎ 遺伝子組み換え原料は「危険!摂っちゃダメ!」ではなく「安全と言い切れない・疑わしい」ので、避ける方がベターです。
参考:遺伝子組換え食品|消費者庁
原料と製造法|醤油センター
遺伝子組み換え商品の安全性について|厚生労働省医薬食品局食品安全部
遺伝子組み換え表示制度|消費者庁
遺伝子組み換え作物には除草剤が使われている
遺伝子組み換え作物には、除草剤がたくさん使われている可能性が非常に高いです。
農作物を栽培する上で生産者を悩ませるのが雑草です。除草剤に耐性を持つよう遺伝子組み換えがされた作物なら、除草剤を撒いても枯れずに雑草だけが枯れる、という仕組み。
その除草剤「ラウンドアップ」に使われているのが「グリホサート」という成分です。
国際がん研究機関(IARC)が、グループ2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類したことから、安全性に関して意見が分かれています。
FAO/WHO合同残留農薬専門家会議 (JMPR)では、発がん性リスクを及ぼす可能性は低い、と評価。日本の食品安全委員会では、神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった、としています。
✔︎ グリホサートに代わる有効な除草手段は開発されておらず、海外では一旦禁止したものの、再承認という事態が相次いでいます。安全と言い切れなければ避けた方が無難です。
世界中の人々を悩ませる除草剤ですね…
参考:グリホサート 評価書詳細|食品安全委員会
よくある質問 除草剤耐性作物の栽培に使用されるグリホサートの安全性について|バイテク情報普及会
輸入作物は収穫後にも農薬が使われていることがある
輸入作物には、有機栽培などの例外を除いて、栽培中や収穫後、輸送中・保管中に害虫駆除剤などが使用されることがあります。
収穫後に散布される農薬、いわゆる「ポストハーベスト」です。
輸送中に害虫やカビなどが発生しないよう、収穫後に直接農作物に使用されるため、当然残留量が多くなります。
小麦は国が管轄しているため、国の基準で残留農薬の調査を行い、問題がないものを輸入。大豆や脱脂加工大豆においては、製油メーカーや商社の「安全証明書」をもとに、それぞれで購入されています。
安全証明書で履歴を確認してから、輸入原料を購入しているメーカーもありますよ。
日本醤油協会では市販のしょうゆについて、農薬がしょうゆ中に含まれているがどうか調べたことがありますが、すべての農薬が分析値として不検出で数値化できるものではありませんでした。
しょうゆの不思議 改訂2版|日本醤油協会
✔︎ 残留農薬の検査は厳しく行われ、食品衛生法で残留基準が設定されていますし、違反があった際には情報が公開されています。ですが、微量であっても残っていることは事実。ならばポストハーベストが原則的に禁止されている国産原料の方が安心です。日本の生産農家さんを応援することにも繋がりますよ!
参考:違反事例|厚生労働省
脱脂加工大豆は、製造工程で化学物質が使われる
脱脂加工大豆を作る際、有機溶剤である「ノルマルヘキサン」を使用し油を抽出します。
このヘキサンは食品衛生法で認められている食品添加物で、使用したヘキサンは最終食品の完成前に除去しなければならないことが定められています。
ですが、ヘキサンはガソリンにも含まれる物質のため、それを食品加工に使用するのは…という意見が多いのです。
✔︎ ヘキサンは石油系の化学物質であるため、完全に除去されていると言っても不安が残る…という点から避ける方が安心かも知れません。
参考:各添加物の使用基準及び保存基準|日本食品化学研究振興財団
おいしく安全な醤油の正しい保存方法
保存に向いているのは「瓶」
醤油ってペットボトルが多いよね…?高級なものは瓶のイメージ。
スーパーの醤油売り場では、ペットボトル入りのものがほとんどですが、最も保存に向いている容器は「瓶」です。
ペットボトルは軽くて扱いやすいため、購入もしやすく醤油の容器として定着していますが、実はペットボトルは酸素を通してしまう素材で、未開封の場合でも酸化が進んでしまうのです…。
ペットボトルの醤油を買いだめするのはよろしくないですね!
あと、意外な盲点なのが「醤油さし」。中身がなくなったら、ついつい継ぎ足しちゃってませんか〜?酸化が進んだ醤油が残ることになるので、面倒でも綺麗に洗ってから継ぎ足しましょう!
賞味期限・保存期間の目安
開栓前の賞味期限の目安はこちら。
種類 | こいくち たまり さいしこみ | うすくち | 白 |
ペットボトル | 18ヶ月 | 12ヶ月 | ー |
瓶 | 24ヶ月 | 18ヶ月 | 8ヶ月 |
開栓後、空気に触れることで醤油は酸化します。蓋をしっかり閉めて冷蔵庫(野菜室が最適)で保管し、1か月以内に使い切るのがおすすめです。
また、最近は空気が入らない二重構造の密封ボトルが人気ですが、あちらは開栓後「常温保存」のものが多いので、商品のラベル等で保存方法を確認しましょう。
参考:しょうゆの不思議 改訂2版|日本醤油協会
まとめ:安全の基準はあなた自身で!おいしい醤油を正しく選ぼう
いかがでしたでしょうか?
戦時中、物資が手に入らない時代にアミノ酸液を添加して量を増やしたり、塩水を多くしたりして、薄まった分を補うためにカラメル色素で色味を付ける、アミノ酸で味付けする、ということが行われていたようです。
この影響からか「添加物=コストを下げるため」という発信が多く見られますが、一概にそうとは言い切れません。少なくとも「郷土の味を守るため」に添加しているメーカーはたくさんあります。
地域に根ざした食文化を、長く愛され続けている味を「添加物で誤魔化してるニセモノの醤油」と一括りに言ってしまうのは、個人的にはすごく悲しいことだと思います。
だってその地域の方にとってはそれが醤油の味、なんですよ? (好き嫌いはあると思いますし、同時に身近なところでは無添加のものが売ってなくてモヤモヤしてる方もいらっしゃると思います。)
歴史的な背景だとか、定番として愛され続けている事実とか、ポイってして「添加物が入っている醤油は悪いもの」とだけ言うのはどうだかな…と思います。
いろんな種類の醤油がある中で、私はこういう理由でこの醤油を選びます。そんなスタンスで、あなた自身の基準で、無添加で安全な醤油を選んで頂けたら、と思います。
おいしい調味料は、味付けの概念が変わります…○○だけって、こんなにおいしい!ってなります…!ぜひ味わってみてください!
「本物」と言われる調味料は、時間と手間が惜しみなくかけられています。確かに高いかも知れませんが、納得のお値段と言わざるを得ません。
品質・安全性の高い調味料は、高いけど、おいしい!と常々私は感じております。良いものを選びましょう。それだけの価値があります。
自宅の近くで納得できる品質のものが売ってない!できるだけ安全なものを口にしたい!それなら、無添加や無農薬などの厳しい安全基準を設けている「食材宅配」を始めてみては?
おすすめしたいその理由は…取り扱い商品の中から選ぶだけで安全性の高い商品を買えるため、日々のお買い物がめっちゃラクになるということ!
やみくもに原材料のチェックするの疲れちゃいますよね?実際のところスーパーではなかなか売ってないですし。
「大地を守る会」や「生活クラブ」「らでぃっしゅぼーや」では、国よりも厳しい独自基準をクリアした信頼できるメーカーの「本物の醤油」など、こだわりの商品を扱っています。
添加物が入っていた場合「この食材宅配でOKしているということは、そんなに危険じゃないのかも?避けなくてもいいかな?」と参考になります!
激的にお得なお試しセットがあるメーカーもあります!もうお試ししない理由がないってくらいお得なやつとかあります 笑 ぜひチェックしてみて下さいね!