私は子どもが産まれてから添加物のことついて考えるようになったんですが、みなさんはどう?気にしてる?
無添加って言葉よく聞くし、気になるんだけど…よく分からない。危険なのよね?
添加物と聞いて「身体に悪いもの」「避けた方がいいもの」というイメージを持つ方は多いと思います。ですが、実際のところはどうなんでしょう??
なんだか良く分からな〜い!そんな方のために添加物について詳しく、できるだけ簡単に解説します!
まずは添加物について知ろう 添加物ってどんなもの?
食品添加物には4つの種類がある
使用できる食品添加物は、原則として厚生労働大臣が指定したものだけです。これは、天然物であるかどうかに関わりません。例外的に、指定を受けずに使用できるのは、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物だけです。未指定の添加物を製造、輸入、使用、販売等することはできません。
食品添加物 よくある質問(消費者向け)|厚生労働省
2024年3月12日現在、添加物には以下の4つの種類があります。
- 指定添加物
- 既存添加物
- 天然香料
- 一般飲食物添加物
■指定添加物 476品目
安全性と有効性の評価を受け、厚生労働大臣が使用してよいと定めた食品添加物。(化学合成品だけでなく、天然物も含む。)
※ソルビン酸、アスパルテーム、クエン酸など
指定添加物のリスト
■既存添加物 357品目
平成7年(1995年)に食品衛生法が改正され、指定の範囲が化学的合成品のみから天然物を含むすべての添加物に拡大されました。
その際に、日本ですでに使用され長い食経験があるものは例外的に指定を受けることなく使用・販売等が認められ、既存添加物名簿に収載されています。
例:クチナシ色素、柿タンニン、カテキンなど
法改正の際、昔から使われてきた天然の添加物は、今まで問題なかったからOKでしょ〜、ってことになったのね!それが既存添加物ってことか。
いわゆる天然添加物で危険性の低いとされるものが多いのですが、科学的知見に基づく安全性の確認がされていないものも含まれています。
既存添加物のリストはこちら
■天然香料 約600品目
動植物から抽出された天然の物質。香り付けの目的として使用される。基本的に使用量はごくわずか。
例:バニラ香料、緑茶など
天然香料のリストはこちら
■一般飲食物添加物 約100品目
一般的に食品として食べられるものが、添加物として使われるもの
例:コンニャクイモ抽出物(グルコマンナン)を増粘の目的で使用、オレンジ果汁を着色料として使用、など
食べ物なのに、添加物の目的で使用した場合は、添加物として表示しないといけないのね…!
参考:食品添加物|厚生労働省
食品添加物とは|日本食品添加物協会
食品添加物はどんな目的で使われているの? 種類と役割
食品添加物にはたくさんの種類があり、主な用途は以下の通りです。
種類 | 用途 |
着色料 クチナシ色素 赤色2号など | 食品に色をつける、色味を調整する |
甘味料 アスパルテーム スクラロースなど | 甘味を与える |
保存料 ソルビン酸 安息香酸など | カビや細菌を抑制し、保存効果を高める |
増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊料 キサンタンガム ペクチンなど | 滑らかさや粘り気・とろみを出し、分離を防ぎ安定性を高める |
酸化防止剤 エリソルビン酸 L-アスコルビン酸(ビタミンC、V.C)など | 油脂などの酸化を防ぐ |
発色剤 硝酸カリウム 亜硝酸ナトリウムなど | ハムなどの色味を調整する |
漂白剤 亜塩素酸ナトリウム 亜硫酸ナトリウムなど | 食品を白く漂白して色味を整える |
防カビ剤 オルトフェニルフェノール TBZ(チアベンダゾール)など | カビの発生を防ぐ(主に輸入柑橘類) |
乳化剤 グリセリン脂肪酸エステル レシチンなど | 水と油を均一に混ぜる |
酸味料 酢酸ナトリウム クエン酸など | 食品に酸味を与える |
【例①:アイスクリーム】
使用されている添加物 | 用途 |
安定剤 グァーガム、ペクチン | 舌触りを良くし、保形性を高める |
レシチン、グリセリン脂肪酸エステル 乳化剤 | 脂肪分が均一に混ざるようにする |
香料 バニラ香料 | 香り付け |
着色料 カロチン、クチナシ色素 | 色味を調整する |
【例②:ソーセージ】
使用されている添加物 | 用途 |
発色剤 亜硝酸ナトリウム | 色味を調整する |
p H調整剤 リン酸塩 | 食品を適切なpH領域に保つ |
保存料 ソルビン酸K | カビや細菌の増殖を抑制し保存性を高める |
酸化防止剤 ビタミンC | 食品の酸化を防ぎ、安定性を向上させる |
調味料 アミノ酸等 | 味を整える |
【例③:グミ】
使用されている添加物 | 用途 |
酸味料 クエン酸 | 酸味を調整する |
増粘剤・ゲル化剤 ゼラチン、カラギナン | 歯応えなどの食感を出す |
香料 オレンジ香料 | 香り付け |
光沢剤 シェラック | 食品の表面に皮膜を作り、乾燥、湿気などから保護して光沢を与える |
着色料 オレンジ果汁、りんご果汁 | 色味を調整する |
参考:用途別 主な食品添加物|「食品衛生の窓」東京都保健医療局
食品添加物について|神奈川県ホームページ
食品添加物はどこに表示されている?
生鮮食品
■容器包装の場合 食品が入っている容器や袋に記載
こういう生鮮食品の場合、添加物や加工所だけ底面のシールに貼ってある場合も!忘れずチェック!
■バラ売りの場合 値札やポップに表示
バラ売りって見落としがち!値札やPOPにちゃんと書いてありますよ〜。
加工食品
「原材料名」に添加物名を表示するパターン
この/スラッシュで区切る方法は、よく目にしますよね!
こちらは改行して表示するパターン。この画像は赤字で表記されてるからわかりやすいけど、全部が同じ色の文字だとけっこうわかりにくい!
「原材料」欄とは別に「添加物」の欄を設けて表示するパターン
これは意外と見落としやすいパターンです!急いでたから「原材料名」の欄しか見てなくて、帰ってガックリしたことが…
/スラッシュ以外の表記方法があることを知っておけば失敗は防げる!私みたいにならないでね〜。
参考:食品添加物表示に関するマメ知識|消費者庁
食品添加物はどのような表示方法がされている?
原則として、食品に使用した添加物は、すべて表示しなくてはなりません。表示は、物質名で記載され、保存料、甘味料等の用途で使用したものについては、その用途名も併記しなければなりません。
食品添加物 よくある質問(消費者向け)|厚生労働省
食品に添加物を使用した場合や使用した原材料に添加物が含まれている場合は 、添加物に占める重量の割合の多いものから順に表示されています。
①簡略名、または類別名で表記
通常、食品添加物は「物質名」で表記されますが、」物質名だと逆に分かりにくいことがあります。例えば「L-アスコルビン酸」は「ビタミンC」と表記されている方が分かりやすいですよね。
「硫酸アルミニウムカリウム」じゃなくて「ミョウバン」って書いてないと分かりません!笑
②併記が必要な用途名
以下の8種類の添加物については、消費者にとって役にたつ情報として用途名をカッコ書きで併記することになっています。
例:着色料(カラメル、カロテン)、増粘剤(アラビアガム)など
着色料として「カラメルとカロテン」を使ってますって意味だよね。
【併記が必要な用途名】
- 甘味料
- 着色料
- 保存料
- 増粘剤、安定剤、ゲル化剤
- 酸化防止剤
- 発色剤
- 漂白剤
- 防カビ剤
③一括表示が認められているもの
複数の添加物の組合せで効果を発揮することが多い食品添加物は、物質名の代わりに用途名で一括表示することができます。
【一括表示が認められている添加物】
- イーストフード
- ガムベース
- 香料
- 酸味料
- 調味料
- 豆腐用凝固剤
- p H調整剤
- かんすい
- 膨張剤
- 苦味料
- 乳化剤
- 光沢剤
- 水素イオン濃度調整剤
- 酵素
香料は複数を組み合わせて複雑な香りを作り出していることが多いため、全部表示すると逆に分かりにくくなってしまう。
目的が同じだからまとめるってのは分かるけど、何がどれだけ使われているかはメーカーに問い合わせしないと分かりませんね…
④表示が免除される食品添加物
- 加工助剤
- キャリーオーバー
- 栄養強化剤
最終的に食品に残存していない添加物(もしくは残っていてもごく微量)で、その食品に影響を及ぼさないものは、表示が免除されます。
小麦粉改良剤の臭素酸カリウムは、最終食品の完成前に分解され、製品中には残りません。そのため加工助剤の扱いとなり、表示は免除されます。
✔︎ 加工助剤・キャリーオーバーについて、図解付きで詳しく解説!
食品添加物の表示とは別で、食品表示そのものが免除されている特例もあります。
原材料の表示なしで販売されてるもの、ありますよね。
✔︎ パン屋のパンに原材料表示がないのはナゼ? 詳しくはコチラの記事で。
食品添加物の問題点
複数摂取した際の影響がわからない
厚生労働省による調査では、実際の添加物の摂取量は一日摂取許容量(ADI)を大きく下回っており、一般的な食事をしていれば一日摂取許容量を上回ることはないと考えて大丈夫です。
ですが、国が行う安全性の調査はあくまでも「添加物1つづつ」のため、複数摂取した際の安全性については検証されていません。そして、長期的に摂取した場合においても身体に及ぼす影響は分かっていません。
一日摂取許容量(ADI)を下回る量なら、複数摂取しても身体に影響は出ない、という意見もあるけど、どうなんだろ?
参考:マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査|厚生労働省
既存添加物は検証不足?
いわゆる天然添加物で危険性の低いとされるものが多い既存添加物ですが、安全性のデータが不十分なものも含まれています。
その一例としてアカネ色素があります。アカネ色素は、アカネ科の植物(セイヨウアカネ)から得られる色素で「既存添加物」として日本では昔からハムやソーセージなどに使用されていました。
しかし、平成15年に行われた動物実験の結果、発がん性が認められたため、名簿から消除され使用が禁止されました。
既存添加物は、今でも安全性の見直しの調査が行われています。
天然由来だから安全、というわけではないんですよね。
海外では禁止されているものもある
日本では使用が許可されていても、海外では禁止されている添加物があります。また、その逆で海外ではOKな添加物が、日本では禁止されている例もあります。
タール色素は、アメリカでは、1976年に赤色2号の発がん性について安全性を確認できないとして使用禁止になりました。
しかし、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)で行われた再評価では発がん性は認められず、現在米国など一部の国を除き、日本・カナダ・EUなどで使用が認められています。
このように、海外で日本とは違う見解の国があるということは、「安全ではない可能性もある」とも考えられます。
まれにアレルギーを引き起こす可能性がある
喘息や鼻炎患者の一定割合が、亜硫酸を含む食品の摂取後、気管支炎やじんましんを起こすことが示されている。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、二酸化硫黄と亜硫酸塩(Sulfite)を対象とした欧州食品安全機構(EFSA)の最新の評価に関する情報(Nr. 039/2022)を公表|食品安全委員会 内閣府
最近では、コチニール色素がアレルギー反応を起こすことがあるって注意喚起されるようになりましたよね。
微量のアレルゲンにも反応してしまう方のために「レシチン(大豆由来)」「乳化剤(卵由来)」という表示もされています。アレルギーをお持ちの方は品質表示を確認して購入しましょう。
食品添加物って本当に安全なの?
食品添加物は、以下のような手順で安全性を確認しています。
- リスク評価機関である食品安全委員会が動物実験の結果などの科学的なデータに基づき、各添加物ごとに「一日摂取許容量」(ADI)を設定。
- この結果を元に、厚生労働省で食品ごとの使用量、使用基準などを設定。
※一日摂取許容量(ADI)「人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、健康への悪影響がないと推定される1日あたりの摂取量」
日本語を日本語に訳すと「死ぬまで毎日摂り続けてもOKな量しか入ってません」ってことです!
国が安全性の検査を行い、許可を出したものしか食品添加物として使用できません。使用できる量も物質ごとに決められています。
なので過剰に避ける、怖がる、必要はありません
安全?危険?添加物との付き合い方
食品の腐敗や食中毒などを防ぐための保存料や、食品のなめらかさ、弾力など食感をよくする安定剤や乳化剤、色味を鮮やかにし、おいしさを演出する着色料。
食品添加物にはさまざまな役割があり、いつでも買えるコンビニ弁当や、災害時にも便利な長期保存ができる加工品などには欠かせない存在です。食品を長持ちさせ、私たちの食生活を便利に、豊かにしてくれています。
ですが、その一方で国(厚生労働省)の安全性試験に疑問を指摘する研究結果もあり「絶対に安全!」とは言い切れません。食品添加物は「良い側面」と「疑わしい側面」の両方を持ち合わせています。
私は「良い部分の恩恵にあずかりながら、疑わしい部分はできるだけ避ける、量・頻度を減らす」というスタンスが、添加物との上手な付き合い方だと思います。
できるだけ避けたいけれど、何を避ければいいの…?
そんなあなたのために、使用基準が厳しく定められていたり、安全性が確認しにくい等、特に気をつけたい添加物をまとめました。
特に気を付けたい添加物リスト
- 発色剤
亜硝酸ナトリウム - 甘味料
アスパルテーム - 着色料
タール系色素(赤色104号、黄色4号など)
カラメル色素 - 保存料
安息香酸、ソルビン酸、ソルビン酸K - 酸化防止剤
亜硫酸塩、BHA - 防カビ剤
OPP、TBZ、イマザリル
この他にも、危険性が指摘されている添加物については「安全性に問題あり?!これだけは避けたい添加物早見表」で詳しく解説しています。
食品添加物を減らすための工夫
1つづつ説明します。
原材料をしっかりチェックする!
これがやっぱり確実な方法。できる限り商品に表示されている「原材料表示」で添加物を確認しましょう。上述したように、表記方法には3パターンあります。
- 原材料名のあとに/スラッシュで区切って表記
- 原材料のあと、改行して表示
- 原材料とは別の欄を設けて表示
しっかりチェックするクセをつけて、自分で納得できる商品を買いたいですね!
加工品をできるだけ避ける
ものすごく当たり前の話ですが…自分で炊いたご飯には添加物は使用されていません。
ですが、以前コンビニの「塩むすび」の原材料を見た時に驚愕…!なんと”調味液”や”植物油脂”が入っていました。添加物ではありませんが、かなり衝撃。
塩むすびだよね?
塩むすびでこれですから、コンビニのおにぎりやお弁当の中のご飯には、保存料などが使われていることがあります。
これがチャーハンなど、加工度が上がると添加物はさらに増えることになります。調味料はもちろん、着色料や酸化防止剤、ベーコンなどが入っていれば発色剤(亜硝酸ナトリウム)やリン酸塩が含まれる可能性も。
できる限り加工品に頼りすぎないように、栄養バランスにも気をつけたいところですね。
調理方法にひと手間を加える
実は簡単なひと手間で添加物を減らすことができます。
- ソーセージなどは、1度茹でる(切り目を入れるとさらに効果的)
- カップ麺は1分ほどでお湯を捨てて、新しいものを入れる
- 茹で麺はお湯を捨ててからスープと合わせる
- かまぼこなどの練り物はお湯にくぐらす、水にさらす
- 漬物は漬け汁を捨てて、軽く洗うor 水にさらす
ゆでこぼし、くらいなら私でもできる!
無添加食品を取り扱う食材宅配を利用する
スーパーで食品表示を確認してから購入するのは、なかなか骨の折れる作業。安心できる食品探しに苦労しているなら宅配食材サービスの利用を検討してみては?
最近は無添加の食品や、品質にこだわりのある商品を取り扱う「安全性重視」のサービスも充実していてます。「ここで選べば間違いない!」という安心感がありますし、食品選びの時短にもなります。
とはいえ、食材宅配サービスもいっぱいあってどれを選べばいいのか分からない…ですよね。安全性が高いおすすめの食材宅配サービスを5社に絞って比較してみました。ぜひ参考にしてみてください!
まとめ:添加物を正しく知って、不必要なものは避けよう
いかがでしたでしょうか?
食中毒を防いだり、おいしそうな見た目で食欲を増進させたり、添加物にはたくさんのメリットがあります。ですが、検証がされていなかったり、未知の部分が大きいというデメリットもあります。
過剰に摂取することは避けて、上手に添加物と付き合っていきましょう。
安心できる食品選びの参考になれば嬉しいです。
参考:食品添加物表示に関するマメ知識|消費者庁